環境経営時代を生き抜く:企業経営における、情報技術を軸とした環境問題への取り組みを支援

~「グリーン・イノベーション」プロジェクトによる情報発信~

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2009年04月01日

  • 株式会社大和総研

株式会社大和総研(本社:東京都江東区、代表取締役社長:太田 浩司)は、世界的な課題である環境問題に関連して、今後の企業経営のあるべき姿を研究する「グリーン・イノベーション」プロジェクトを立ち上げ、活動を開始します。


社会における環境への問題が高まりつつあるなか、今や環境は企業価値を考える上で、必要不可欠なものとなっています。現在のビジネスモデルを低炭素型に変換し、生物多様性に対する配慮を行うことで、環境ブランドを構築していくことが重要な戦略となります。世界的なグリーン・ニューディール政策への同調気配から、今後様々な政策も施行され、企業に対し環境経営へのシフトと、消費者に環境意識の変化を求め、一気に低炭素社会実現が加速すると予測されます。その中で環境関連ビジネス市場は急激に拡大し、次の成長戦略の潮流になると思われます。業種・業態を超えた企業間競争を勝ち抜くには、低炭素型のビジネスモデルへの変革を行い、環境ブランドの構築を実現することが必要となります。


当社は10年以上前から培ってきた環境関連の研究を統合・体系化し、取り組むべき課題の明確化と適用可能な情報技術の評価や紹介など、情報発信を強化していきます。


以下に体系化した6つの分野について説明します。

1.法制度 -企業に求められる制度対応-

EUでは、2006年にRoHS(※1)が施行され、2007年にはREACH(※2)が発行されています。米国では、2005年に2005年エネルギー政策法(※3)が成立しています。また日本でも、省エネ法(※4)、温対法(※5)の改正法が2009年度に施行され、東京都の環境確保条例では2010年度よりCO2削減義務化が始まります。今後益々、企業にとって規制は強化されていくでしょう。これらを受け、各種法制度の最新動向などについて解説し、企業の法制度対応の一助となる情報を提供していきます。

2.産業 -環境経営時代の産業革命-

政府等のグリーンビジネスに対する優遇策や企業側の開発努力によって、環境分野の技術革新やビジネスモデル創出が期待されます。今後、市場の拡大が見込まれる産業分野に焦点をあて、国内メーカーを始め、海外メーカーなどの事業戦略やビジネスモデルの研究、製品化動向を紹介し、その将来のあるべき姿を展望します。

3.環境マネジメント -持続可能な社会へ向けて-

持続可能な経営基盤を構築するには、省エネ技術や省エネ製品の開発・導入だけでなく、現在のビジネスモデルを低炭素型に変え、生物多様性への配慮を検討する必要があります。つまり企業には、従来型の環境配慮だけでなく、物流・調達を含めた広い意味での環境経営が求められています。マクロ的視点から日本の温暖化対策について考察し、地球温暖化問題の解決と低炭素型社会を実現するための企業戦略、環境経営推進に必要な取り組みを紹介していきます。

4.グリーンIT -ITソリューションで実現する低炭素型社会-

ビジネスの拡大により、サーバの増加やデータセンターの拡大など、エネルギー消費は増加の一途をたどっています。一方で、IT活用による環境負荷の低減に対する期待も高まっています。当社、システム部門が推進するサーバ統合・仮想化、グリーンデータセンターなどへの取り組みをもとに、グリーンITの新技術や新製品の調査・研究を展開していきます。

5.排出量取引 -排出権マーケットの現状と今後-

京都議定書の柔軟的措置として排出量取引が盛り込まれ、EUでは既に2005年からEU-ETSが実施されています。米国は京都議定書を批准していませんが、州や民間レベルで排出量取引制度がいくつか実施されてきました。日本国内でも2008年に、環境省が排出量取引試行事業を開始しました。また、東京都では国に先駆けて、2010年より排出量の取引と法的義務を盛り込んだ気候変動対策を実施します。これを受け、商社や金融機関の排出権販売ビジネスのほか、コンサルティングやマネジメントなどのサービス事業が今後、活発化すると予想されます。これらの動向を金融機関のグループ会社としての視点で解説していきます。

6.海外動向 -各国の施策と取り組み-

各国では深刻なエネルギー不足と環境問題を背景に様々な政策がとられ、グローバル企業においては、新エネルギーの研究・開発や低炭素社会構築に向けたビジネス活動を活発化しています。当社の豊富な海外ネットワークを活用し、海外の最新動向、注目分野を調査していきます。

  1. 電気・電子機器における特定有害物質の使用制限についての指令
  2. 化学物質の登録・評価・許可・制限に関する規則
  3. エネルギー安全保障、再生可能エネルギー支援策など包括的な長期エネルギー政策
  4. エネルギーの使用の合理化に関する法律
  5. 地球温暖化対策の推進に関する法律

以上