[第4回]オンライン証券取引サービスの動向について
2000年10月16日
オンライン証券取引サービスの動向~ 第4回(2000年9月)アンケート調査の結果から ~
昨年10月に株式委託手数料が完全自由化された後、新規参入が相次ぎ、今年8月末時点でオンライン証券取引を行っている会社は57社でした。その各社に対し、電子メールによる質問票を配布、回収する形式で調査を実施致しました。
- 昨年10月に実施された株式委託手数料の完全自由化後、新規参入が相次ぎ、今年8月末時点で、オンライン証券会社は57社に達した。また、取引口座数は、前回調査時より10倍強に増加し、130万口座と大幅に伸びた。
- 口座数の増加に伴い、取引件数の総数は増加している。しかし、個別で見ると二極化がみられ、件数を順調に伸ばしている会社とそうでないところに分かれている。
- 専任の従業員数は、増加している。これは、口座数の増加に伴ったシステム増強やコールセンターの開設により陣容が拡大したためだと思われる。
- 顧客獲得には、取扱商品の幅の拡大が有効だとする一方、広告宣伝や手数料の引き下げには消極的である。
- インターネット視聴率を分析したところ、オンライン専業の方がアクティブユーザーの比率が高いことが分かった。収益力の判断材料として取引口座数のデータは非常に有効であるが、インターネット視聴率等を用いた分析も今後の動向を把握する上で重要であろう。
- 米国では、大手への寡占化が進みつつある。日本でも同様な状況に陥る可能性は否定できない。
- 大和総研はネット取引の今後の順調な拡大を見込んでいる。2001年末で取引口座数は268万口座に達すると予測している。
- 手数料の低廉化が急激に進んできた。これ以上の引き下げ余地は少ないと思われる。今後は、手数料競争から付加価値の提供へ競争の焦点が移っていくと思われる。