デジタルトランスフォーメーション(DX)

 デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、企業が競争優位性を確立し維持するために、データとデジタル技術を駆使して、業務プロセスやビジネスモデル、企業文化を変革することです。

DXが進まない理由

 2018年に経済産業省が発表した「DXレポート」の中で、企業のDXが進まない理由として、以下の点を挙げています。

  • 既存システムの過剰なカスタマイズによる複雑化、ブラックボックス化
  • 部門ごとに情報システムを持っているため、横断的なデータ活用が困難
  • 経営者がDXの重要性を理解していても、現場の抵抗が大きくシステム刷新や業務改革に踏み切るのが困難

 また、これらを放置することで、2025年以降に大規模な経済損失(最大12兆円/年)が生じる可能性があると警告しています。この問題は「2025年の崖」と呼ばれ、DXの推進について企業の関心を集めるきっかけの一つとなりました。

 しかし、2年後に発表された「DXレポート2」(2020年 経済産業省)では、調査対象企業のうち9割の企業がDXに全く着手していないか、一部の部門での実施にとどまっているという状況が明らかになりました。この結果を受けて、事例集やガイドライン作成によるDXの理解向上施策のほか、DX認定企業へのインセンティブ付与や金融支援の充実化など、国を挙げてDX推進の対策が進められています。

DXへの取り組み

 DXの本質は事業環境の変化に対応していくことであるため、業務の単純なデジタル化だけでなく、企業文化や固定観念を変革していくことが重要です。DXを推進する第一歩は、経営者のリーダーシップの下、デジタルツールを業務に取り入れていくことです。例えば、RPAを用いた業務の自動化や、SaaSを用いた業務のデジタル化、AIチャットボット等を活用した顧客接点のデジタル化などです。そして中長期的には、以下のような取り組みによって、デジタル時代においても付加価値を生み出し続ける企業として競争力を高めていく必要があるでしょう。

  • 自ら組織を牽引してDXを推進できる人材や、データサイエンティストなどの専門家(いわゆるDX人材)を企業自らが確保する
  • ビジネスアイディアに基づき、ある程度の失敗を許容し試行錯誤を繰り返しながらデジタルビジネスを確立していく

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