ステーブルコインとは? 特徴や主な種類を紹介

 ステーブルコイン(Stablecoin)とは、ブロックチェーン技術を用いて電子的に発行されるデジタル資産の一種のことです。日本円や米ドルといった法定通貨など、特定の資産に価値が連動するよう設計されています。そのためBitcoin(BTC)やEther(ETH)などの一般的な暗号資産と比較して価格変動が起こりにくい特徴を持っています。

ステーブルコインの種類

 ステーブルコインは、その価格安定化のアプローチによって、主に以下の4つのタイプに分類されます。

  • 法定通貨担保型
     日本円や米ドルなどの法定通貨を担保として発行されているステーブルコインです。ステーブルコインの発行元が、発行されたコインと同額の準備金を保持することで、1対1の交換比率を保証し、価値の安定を図る仕組みとなっています。

  • 暗号資産担保型
     Bitcoin(BTC)やEther(ETH)などの他の暗号資産を担保として発行されているステーブルコインです。担保となる暗号資産は価格が大きく変動する可能性があるため、ステーブルコインの価格を維持できるように、例えば1,000円分のステーブルコインを発行する際に、1,500円分の暗号資産を担保に入れる、といった方法で過剰な担保を取る仕組みになっています。

  • コモディティ型
     金、銀、原油といったコモディティを担保として発行されているステーブルコインです。法定通貨担保型と同様に、発行体が発行済みのステーブルコインの総額に相当するコモディティを実際に保有し、その保有を証明する仕組みを通じて、価格の安定性を実現しています。

  • 無担保型(アルゴリズム型)
     他のステーブルコインとは異なり、特定の裏付け資産を持たないステーブルコインです。その代わりに、アルゴリズム(自動化されたプログラム)が市場の需給バランスを調整することで、価格を一定に保つように設計されています。価格が目標から乖離した場合、自動的に供給量を増減させ、価格を安定させます。ただし、過去には価格維持に失敗した事例もあり、リスクが指摘されています。

日本における動向

 日本では、2023年6月1日に施行された改正資金決済法によって、ステーブルコインは「デジタルマネー類似型」と「暗号資産型」の二種類に区分されました。特に「デジタルマネー類似型」は、「電子決済手段」として定義され、Bitcoin(BTC)といった従来の暗号資産とは一線を画す存在となっています。

  • デジタルマネー類似型(=電子決済手段)
     法定通貨の価値と連動した価格(例:1コイン=1円)で発行され、発行価格と同額で償還を約するもの(およびこれに準ずるもの)

  • 暗号資産型
     デジタルマネー類似型の要件を満たさないもの(暗号資産やコモディティを担保とするもの、またはアルゴリズムによって価格安定を図るものなど)

 この法改正の結果、日本円に連動する電子決済手段(法定通貨担保型のステーブルコイン)の発行は、日本国内では信託銀行などのほか、資金決済法に基づき登録を受けた資金移動業者のみに限定されることになりました。

おわりに

 本記事では、ステーブルコインの特徴や種類について紹介しました。 さらに詳しい仕組みや法制度、ウォレットについては、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
ステーブルコインとは? - 仕組みや法制度、ウォレットについて解説 - WOR(L)D ワード|大和総研の用語解説サイト

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