CDPとは、2000年に英国の慈善団体の支援によって設立された機関で、企業や都市(自治体)などが自身の環境への影響を管理するためのグローバルな情報開示システムを運営しています。もともとは、主に二酸化炭素(カーボン)排出や気候変動に関する開示を促すことを目的としており、Carbon Disclosure Projectという名称でした。しかし、カバー範囲がカーボンに限られなくなったことから、2013年に略称であった「CDP」を正式名称に変更しました。
CDPは特定の企業に対して気候変動や水、森林に関する質問書を毎年送付し、質問への回答内容を開示するとともに、回答内容に基づいたレーティングを行い、結果を公表しています。投資家がESG投資を行う際には、ESG格付・スコアが活用される場合がありますが、CDPもその一つとして認知されています。2023年には既に過去最多の23,000社超の企業がCDPを通じて環境情報を開示していることをCDPが公表しています。わが国でも、プライム市場上場会社1,100社以上を含む約2,000社が開示していることが示されています。
CDPは企業の開示負担軽減や投資家にとっての情報の比較可能性確保のために、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の基準との整合性をとっているほか、そのほかの新たな国際的な開示基準、各国・地域の規制との整合性も図っています。比較可能性が確保された開示情報に基づく企業のESG格付・ESGスコアの一つとして、今後も利用されていくものと考えられます。
レポート・コラム
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