サクセッションプラン

 サクセッションプランとは、次世代の経営トップや経営幹部候補など重要ポジションの後継者を計画的に育成し選抜する後継者育成計画のことです。類似する用語にタレントマネジメントシステムがありますが、タレントマネジメントは全社員を対象としていることに対し、サクセッションプランは経営トップなど重要ポジションに限定している点が異なります。
 経営環境の不確実性が高まるなか、企業の舵取りを担う経営トップや経営幹部候補の育成と選抜は、中長期的に企業価値を高めるための重要な経営課題の一つとなっています。これまで経営トップの選任は、その選任理由やプロセスが見えにくいことが指摘されてきましたが、コーポレートガバナンス・コードに最高経営責任者(CEO)等の後継者計画の監督に関する項目が盛り込まれ、サクセッションプランに客観性や透明性が求められるようになり、統合報告書でも言及する企業が増えています。さらに、人的資本の情報開示のガイドラインであるISO30414でもSuccession Planningの項目が設けられています。
 サクセッションプランは経営戦略や組織文化などを踏まえて策定されます。策定においては、自社の経営陣に求められるスキル・能力・経験の洗い出し、社外取締役に適切に関与してもらうための仕組みの検討、将来の経営トップ等の育成に必要な研修・育成方法、育成状況のモニタリングの仕組み・評価方法などの論点を整理することが求められます。サクセッションプランの策定は、企業のサステナビリティの根幹となる重要なアクションといえます。

レポート・コラム

2022年10月31日
サクセッションプラン策定に求められる新たな視点 2022年10月31日 | 大和総研 | 小林 一樹

2018年5月23日
後継者計画等の取組みへの動き 2018年05月23日 | 大和総研 | 元秋 京子