GXリーグ

 GXリーグは、自主参加による“企業群”を中心に、産官学金が一体となり、グリーントランスフォーメーション(GX)を目指す枠組みです。経済産業省による「GXリーグ基本構想」(2022年2月)の発表後、設立準備事務局が設置され、2023年4月に本格的な活動を開始しました。2024年1月時点で568社(日本のGHG排出量の5割超を占める)が参画しています。
 GXリーグの活動は、主に①「自主的な排出量取引(GX-ETS)」の実践、②新市場の創造に向けた「ルール形成」、③ビジネス機会を創発するための対話、④自由な交流を促す「GXスタジオ」の4つになります。
 なかでも①のGX-ETSは、企業活動に影響を与えることから注目されており、現在、第1フェーズ(2023-2025年)が始まっています。参加企業は、2025年度、2030年度、第1フェーズ期間(総量)の3つのGHG排出削減目標を定め、各年の実績をGXダッシュボードにおいて公表していく仕組みとなっています。国のNDC水準(※)を上回る削減を達成した企業は、超過分の削減量をクレジットとして売却することができます。一方で、目標未達の企業は、他社の超過削減量やカーボン・クレジット(Jクレジット、JCMクレジット等)の購入または未達の理由の説明が必要になります。
 このほか、②のルール形成の場では、日本企業の製品による排出削減貢献を評価する仕組みや、GX-ETSで利用可能なクレジットの適格性の議論、GX人材市場の創造の議論などが進められています。

※2030年までに2013年度比46%以上のGHG排出量を削減する水準のこと。基準年度を2013年とした場合、基準年度からの削減率は2023年度が27.0%、 2024年度が29.7%、 2025年度が32.4%となる。

レポート・コラム

2024年2月7日
政府が推進するグリーントランスフォーメーション(GX)実現への道筋と課題 2024年02月07日 | 大和総研 | 依田 宏樹

2022年3月16日
戦略ツールとしてのインターナルカーボンプライシング 2022年03月16日 | 大和総研 | 吉村 浩志