ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)

 ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)とは、サステナビリティ情報を開示するための国際的な基準を作成する機関です。IFRS(国際会計基準)の設定に関わるIFRS財団の下に2021年11月に設立されました。

 サステナビリティ情報開示の参考となる基準を策定する機関は複数存在しますが、ISSBの登場後は、その多くがISSBに統合されています。IIRC(国際統合報告評議会)とSASB(サステナビリティ会計基準審議会)が合併して設立されたVRF(価値報告財団)や、CDSB(気候変動開示基準委員会)が2022年にISSBに統合されています。さらに、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)も2023年に解散し、企業の気候変動に関する情報開示のモニタリングをISSBに委任しています。

 ISSBは2023年6月に最初の基準として「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的要求事項(IFRS S1)」、「気候関連開示(IFRS S2)」を公表しています。今後はこれらの基準が国際的なベースラインとして用いられることが見込まれています。

 日本でも2022年7月にSSBJ(サステナビリティ基準委員会)が設立され、ISSBの基準を踏まえた日本版の基準の策定が進められています。将来的には、この日本版の基準における開示事項を金融商品取引法に基づく有価証券報告書に記載することが求められると考えられます。そのため、日本企業も日本版の基準のベースとなるISSBの基準策定に関する動向には注意する必要があるといえます。

レポート・コラム

2024年4月12日
SSBJの日本版サステナビリティ開示基準案 2024年04月12日 | 大和総研 | 藤野 大輝

2023年7月4日
ISSBの基準(IFRS S1、IFRS S2)が確定 2023年07月04日 | 大和総研 | 藤野 大輝

2023年5月30日
ISSBが次に策定する基準のテーマとは? 2023年05月30日 | 大和総研 | 藤野 大輝