IEO

 IEOとは、Initial Exchange Offeringの略で、事業者が暗号資産交換業者(暗号資産取引所)を介して暗号資産を発行して行う資金調達方法のことです。IEOでは事業者が暗号資産を発行し、その販売を暗号資産交換業者に委託します。暗号資産交換業者により、事業者や事業内容等の調査が行われ、問題なければ取引所に口座を持つ顧客への販売と取引所への上場が行われます。日本では、2021年7月に国内初のIEOが行われました。
 事業者がIEOで資金調達を行う場合、事前にホワイトペーパーを発行するのが通例となっています。ホワイトペーパーは集めた資金を使って行う予定の事業について書かれた事業計画書のようなものであり、事業の目的や内容・計画について書かれています。投資家はホワイトペーパーを読むことで、その事業者や事業内容がどのようなものかを知ることができ、投資判断の材料の一つとすることができます。
 ICOとの違いは第三者による審査の有無です。IEOは資金調達実施前に暗号資産交換業者による事業者や事業内容の審査が行われるため、投資家にとってはICOで発生したような、投資したお金を持ち逃げされるといった投資詐欺に遭う可能性が低くなるというメリットがあります。一方、事業者側にとっても、資金調達に際して投資家をゼロから探す必要がなく、暗号資産取引所が既に持っている顧客にアプローチできるため、投資家を集めるためのマーケティング等のコストを抑えながら資金調達ができるというメリットがあります。