人的資本

 人的資本とは、企業で働く「人」を、企業価値を生み出す資本の1つとして捉えたものです。設備や工場など形を持つ有形資本に対して、人的資本は無形資本と位置付けられます。企業が人的資本の価値(スキルや経験、意欲など)を高め、企業価値の維持・向上に結び付けるためには、コンプライアンスの遵守や労務管理の徹底から、ダイバーシティの確保やワークライフバランスへの配慮、従業員の育成・訓練の実施など多岐にわたる施策が必要になります。こうした施策を講じることは、人的資本への投資といえます。経営戦略と人事戦略を紐づけ、人的資本の投資を中長期的な企業価値向上につなげる「人的資本経営」に取り組む企業が増えています。

 投資家は人的資本が企業価値に与える影響について関心を示すようになっており、欧米を中心に人的資本に関する情報開示の義務化が進んでいます。日本でも2023年3月期から、有価証券報告書において人的資本に関する情報を記載することが義務化されました。

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