DeFAIとはDeFi(分散型金融:Decentralized Finance)とAI(人工知能:Artificial Intelligence)を組み合わせた用語です。DeFiにおける取引にAIを組み合わせ、ブロックチェーン上での効率的な金融取引を実現する仕組みのことを指します。
2020年頃から、ブロックチェーンのスマートコントラクトという仕組みを用いて、中央集権的な管理者を介すことなく金融取引を行うDeFiが注目を集め始めました。それ以降、さまざまな機能や特徴を備えたDeFiサービスが誕生しています。同時に、DeFiサービスが稼働するブロックチェーンの種類やDeFiが扱う暗号資産の種類も多様化したためにDeFiの仕組みは複雑化し、初心者がアクセスして取引を行うには操作が難しくなっているという問題が生じています。
そのようなDeFiの複雑さを、AIを用いて解決しようという取り組みがDeFAIです。AIとありますが、実態としてはAIエージェントですので、以降はAIではなくAIエージェントと記載します。DeFAI のプロジェクトではAIエージェントによりDeFiで取引を行う際に必要なさまざまなタスクを自動化し、DeFiにおける取引の効率化を目指しています。例えば以下のようなタスクをAIエージェントが自動化しユーザをサポートします。
- データ収集:ブロックチェーン内外から、DeFiでの取引の意思決定をサポートするために必要となるさまざまなデータを収集します。
- 取引戦略の立案:ユーザの投資目標やリスク許容度、過去の投資履歴などを考慮し、収集したデータを分析してポートフォリオや投資タイミングなどを提案します。
- 取引の実行:取引戦略に基づきDeFiでの取引を自動的に行います。複数のブロックチェーン上の複数のDeFiサービスで取引が行われる場合もあります。
これらのタスクをAIエージェントが行うことで複雑なDeFiの仕組みからユーザを切り離し、DeFiに慣れていないユーザでもDeFiが利用しやすくなります。例えば、DeFiでLINKという暗号資産をUNIという暗号資産に交換したい場合、従来は多数のDeFiのサービスの中から最も交換レートの良いサービスを手動で見つけた後、交換のための取引を実行する必要がありました。DeFAIでは「100 LINKをUNIに交換したい。」とAIエージェントに指示すれば、AIエージェントが自律的に交換レートに関する情報を収集し、最も有利なレートで暗号資産の交換取引まで自動で実行します。
このようにDeFAIは従来のDeFiに対するユーザ体験(UX)を改善させる仕組みとして注目を集めています。