人工知能(AI)

定義と分類

 AIとは、「Artificial Intelligence」の略称であり、日本語では人工知能と訳されます。明確な定義は定まっていないですが、人間のもつ知能を人工的にシミュレートするソフトウェアを指すことが多いです。ロボット掃除機、車の自動運転、スマートスピーカ、ショッピングサイトにおける商品のレコメンドなど、私たちが普段利用している製品・サービスでもAIの導入は進んでおり、身近な存在になってきました。

 AIは、汎用型AIと特化型AIの2つに大別され、現在、世の中で広く活用されているAIは特化型AIに分類されるものです。特化型AIは読んで字の如く、特定の分野や領域に限定したAIです。一方の汎用型AIは、映画やアニメから連想されるような、「人間のように考えるコンピュータ」、「人間と同じように様々な課題を処理できるAI」を指します。

歴史と背景

第一次、第二次 AIブーム(1950年代後半〜1980年代)

 AIの研究は、1950年代よりアメリカで本格的に始まりました。その後、1950年代後半〜1960年代に第一次ブームが起きましたが、当時のAIは「おもちゃの問題」と呼ばれるルールとゴールが明確な問題にしか適用できず、製品の売上向上、消費者の購買予測といった様々な要因が絡み合う現実世界の問題には対応できないこともあり、ブームは下火となりました。
 1980年代には、コンピュータに専門的な知識をインプットし、特定の分野において専門的なふるまいを行う「エキスパートシステム」が注目され第二次ブームが起きましたが、インターネットなどが未発達な時代ということもあり、データの収集/インプット/整合性の確認といった作業の負担が高く、1990年代にはブームは下火となりました。

第三次AIブーム(2,000年代〜 )

 1990年代からインターネットが普及し、多種多様かつ膨大なデータがWeb上で蓄積されるようになりました。また、CPUやGPUの発展と共に、コンピュータの性能が飛躍的に向上しました。こうした状況のもと注目された手法が、データから必要な情報をプログラム自身が自ら学習する「機械学習」です。2012年に機械学習を発展させた「深層学習(ディープラーニング)」が登場したことでAIへの注目が高まり、今日に至ります。機械学習深層学習については、別記事にまとめていますので、そちらをご参照ください。

最後に 今後普及が予測されるAI

 私たちの身の回りの製品・サービスにおいて、AIの導入は着実に進んでおり、身近な存在となってきました。日本政府が提唱する未来社会「Society 5.0」においても、AIは経済発展や社会課題の解決の手段の1つとして取り上げられるなど、注目を集めています。教育関連の動きでは、内閣府は2019年に「AI戦略2019」を策定し、全ての学生に「数理・データサイエンス・AI」による教育を施すとともに、社会人向けにも「リカレント教育」として、AIに関する教育を実施することを発表しました。このような状況を鑑みると、今後、AIは社会で一層普及していくことが予想されます。

 大和総研では、「AIによる株価予測モデルの開発」、「大和地域AI(地域愛)インデックスの開発」など、様々な分野でAIの活用を行っています。また、独自の研修プログラムを実施するなど、AI人材の育成にも注力しています。当研修では数学やプログラミングといった基礎的なスキルの取得だけでなく、現実世界の問題を題材にAIモデルを開発する、といった実践的な内容も含んでいます。
 AIに関してご不明点、ご要望などございましたらお気軽にお問い合わせください。

関連するウェビナー

ウェビナー|大和証券グループで"ChatGPT"を使ってみた

関連する事業・ソリューション

AIによる株価予測モデルの開発 | 大和総研

大和地域AI(地域愛)インデックス | 大和総研

レポート・コラム

2021年09月15日
AIと二次流通市場 2021年09月15日 | 大和総研 | 大泉 幸子