Web接客とは、実店舗で行われるような接客をWeb上で行うことです。Web接客ツールの機能を最大限に活用することでさまざまな顧客ニーズに応え、顧客満足度を高めることが期待できます。
本記事では、Web接客の定義と背景について紹介し、Web接客ツールの種類、導入時の注意点などについて解説します。
- Web接客とは
- Web接客ツールの登場の背景
- Web接客ツールの最新動向
- 代表的なWeb接客ツールの種類とベンダ製品の紹介
- Web接客ツール導入時の注意点
- おわりに
- 関連するウェビナー
- 関連するITソリューション
Web接客とは
Web接客とは、実店舗で行われるような接客業務をWeb上で行うことを指します。Web接客を行う目的は、デジタルチャネルを利用する顧客ニーズに応えることで、見込み顧客(※)を増やすことです。
Web接客の主な機能には、特定のタイミングでキャンペーン・セールス内容を表示するポップアップ機能や、訪問客の疑問点をその場で解消するためのFAQチャットボット機能などがあります。
※マーケティング用語で「リード」と呼ばれます。商品やサービスの購入までは至っていないが、一定のエンゲージメントがあると推測できる顧客を指します。
Web接客ツールの登場の背景
Web接客ツールが登場したのはCRM(顧客関係管理)システム、MA(マーケティングオートメーション)ツールの登場よりも後のことです。
実店舗(アナログ)での購買が中心であった1990年代頃は、企業は対面・メール・電話といった方法で顧客とやり取りしていました。IT化の流れに伴って、CRMは既存顧客の情報をコンピュータ上で効率的に管理し、顧客ニーズを把握できるシステムとして、この頃から活用されるようになりました。
しかしその後、消費者の購買プロセスが変化し、顧客はインターネット上で情報収集や購買の意思決定をするようになったことで、企業は顧客の興味関心やエンゲージメントの度合といった情報を得られる機会が少なくなりました。したがって、これまでのマーケティングアプローチと別に、Web上の訪問客・見込み顧客の流入元や滞在時間、ページ遷移の経路といった購買に至るまでの情報を収集できるMAツールの需要が高まりました。
一般的にMAツールの機能には、見込み顧客を購買・受注までつなげるリードナーチャリング機能のほか、Webフォーム作成やターゲット分析など訪問客向けの機能が備わっていますが、ECサイトなどオンライン上での購買が当たり前になった近年、個々の訪問客に対してWeb上でよりきめ細やかなアクションをしたいというニーズも生まれました。このような背景から、Web上で訪問客の興味関心に合わせた顧客体験を提供し、見込み顧客の獲得を実現するWeb接客ツールが注目されるようになりました。
Web接客ツールの最新動向
最近では、MAツールやCRMシステムとの連携機能を持つWeb接客ツールが増えています。連携機能によって、顧客管理データをWeb接客ツール上で扱えるようになるため、訪問客へのアプローチだけでなく、見込み顧客や既存顧客へのアプローチを1つのツール上で効率的に行えるようになりました。これは即ち、Web接客ツールとMAツールとの定義の境目が無くなりつつある、とも言い換えることができます。
代表的なWeb接客ツールの種類とベンダ製品の紹介
現在の代表的なWeb接客ツールの種類は「ポップアップ型」「チャット型」「複合型」の3つがあります。下記ではそれぞれの種類について説明し、ベンダ各社の製品をいくつかご紹介します。
ポップアップ型
cookie情報や会員情報を紐づけた顧客の閲覧履歴データを元に、実際に閲覧・購入したものと同じカテゴリの商品・サービスをポップアップで表示する機能です。顧客が知りたいと思っている情報源まで適切に誘導することで、購買率の向上を可能とします。訪問客の流入を促進するために、Webサイト上にポップアップとして表示している情報をSNSと連携して拡散する機能を備えたものもあります。
チャット型
顧客が問い合わせフォームに入力した内容と過去の膨大な問合せ履歴データを突合させて最適な回答を掲示するAIタイプと、用意した質問の構成に沿って選択肢を提示していき、顧客の回答を元に知りたい情報へ誘導するシナリオタイプが主流です。顧客の抱える疑問や不安にリアルタイムで回答することで、顧客満足度を高めることができます。
Chat Plus
導入件数18,000件超・月額1,500円からすぐに導入できるAIチャットボットツールです。電話やメールの対応業務を自動化して、30%~70%の業務効率化が期待できます。
【月額1,500円~ 】チャットボット導入実績No.1|チャットプラス
複合型
ポップアップ機能とチャット機能の双方を兼ね備えたものです。MAツールの機能を内包するWeb接客ツールも存在します。
KARTE
ウェブサイトやアプリを利用する顧客の行動をリアルタイムに解析して一人ひとり可視化し、個々の顧客にあわせた自由なコミュニケーションをワンストップで実現するCX(顧客体験)プラットフォームです。
KARTE Web(Web接客)|ユーザー行動を理解し成果に繋がるWeb接客を【KARTE(カルテ)】
Web接客ツール導入時の注意点
自社のマーケティング活動で重視する顧客層が、見込み顧客なのか既存顧客かによって、Web接客ツールを導入すべきかどうかを検討する必要があります。また、既にCRMシステムやMAツールを使用している企業においては、Web接客ツールがどこまで既存のツールと互換性を持つのか、どの機能まで内包しているのか注意することが重要です。Web接客ツールと既存システムの使い分けを明確にして、業務フロー自体を見直すことも必要になるかもしれません。
一般的に、「見込み顧客を受注に導くためのコストは既存顧客維持コストの5倍かかる(1:5の法則)」と言われています。Web接客ツールの導入と良質な顧客体験の提供による顧客獲得の費用対効果について整理することが良いでしょう。
おわりに
Web接客ツールを最大限に活かすことができれば、見込み顧客の獲得から、見込み顧客を優良顧客まで育成することもできます。導入を検討している企業は、CRMシステムやMAツールの導入状況やターゲットとする顧客を整理し、デジタルマーケティングの方針を明確に決めることが重要です。
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