マーケティングオートメーション(MA)とは - 定義や導入時の注意点について解説

 マーケティングオートメーション(MA)とは、マーケティングの各アクションを自動化するためのプラットフォームです。顧客行動から分析される顧客の興味を可視化することで、確度の高い見込み顧客に効率的なアプローチを行ったり、セグメント分けした見込み顧客に対して最適なマーケティング活動を行うことが可能です。
 MAはマーケティングの課題解決を支援するテクノロジーとして注目されています。本記事では、MAが関心を集める背景や導入における注意点について解説します。

マーケティングオートメーションとは

 マーケティングオートメーション(以下、MA)とは、マーケティングの各アクションを自動化するためのプラットフォームのことを指します。顧客行動から分析される顧客の興味を可視化することで、確度の高い見込み顧客に効率的なアプローチを行ったり、セグメント分けした見込み顧客に対し、各セグメントごとに最適なマーケティング活動を行うことが可能となります。

 MAは、顧客に関するデータ(所属企業・役職等の属性や、Web上での行動履歴など)を保存し、それらを基に適切なマーケティングアクションを自動的に行ってくれます。製品情報やセミナーのお知らせ等をメールで送付するといったアクションを、MAが顧客の興味・属性を数値化したスコアに基づき自動で実行してくれるため、効率的なマーケティングを行うことが可能です。

 MAを管理する担当者は、過去の実績やマーケティングの知見から仮説を立て、スコアリングルールを策定します。例えば「Webページを10回閲覧した見込み客は製品の詳細を知りたがっている」という仮説のもと、Webページ閲覧ごとにスコアを1点加算し、10点に達した時点で製品詳細を記載したDMを送るというルールを設定します。

 MAを導入することで得られる効果は他にもあります。その一つが各キャンペーンの効果測定です。顧客がキャンペーンを認知した時点から成約に繋がるまでの全てのフェーズはMAによってデータ化・管理されるため、流入経路の多いキャンペーンがどれであるかを把握することができます。MAが管理するデータを確認することで、次のキャンペーンを検討するにあたってのインプット情報とすることができるのです。
 少子化による労働力の低下が社会問題となっているなか、MAによってマーケティング活動を自動化し、それによって得られた確度の高い顧客に対して効率的な営業が実現できます。

マーケティングオートメーションが注目される背景

 高速インターネットやスマートフォンの普及により、顧客へのアプローチ方法が変化しています。従来は製品に興味を持った人は問合せ先に電話をかけ、担当の営業が対応していました。営業が対応する中で相手の属性や興味を知り、相手に見合ったアプローチ方法を選択することができました。一方で現在は製品に関する情報を仕入れる方法が多岐にわたり、顧客は自分で多くの情報を仕入れ、意思決定までを営業を通さずに行うことが増えています。
 したがって、企業が顧客を理解し、顧客ごとに合ったアプローチでコンバージョンを達成することは今まで以上に難しくなっています。MAはそのようなマーケティングの課題解決を支援するテクノロジーの一つとして、近年注目されています。

MAツールの導入における注意点

 MA導入時に注意する点は主に2つあります。
 1つは、ビジネスがBtoB、BtoCどちらの領域であるかによってソリューションを選択することです。BtoBの場合は最終的に見込み顧客ごとに営業部門が個別にやり取りすることが多く、いかに確度の高い見込み顧客に対して営業のアプローチを行えるかが重要になります。一方でBtoCの場合は、見込み顧客を興味関心や属性などに応じてセグメンテーションし、セグメントごとにDMやSNS等を用いて適切なアプローチをかけていきます。BtoBと比較し成約までの期間が短いものが多いため、短期間で見込み顧客の求める情報を提供しスムーズに成約へと繋げることが重要となります。
 このように、BtoB、BtoCでは取るべきマーケティング施策は異なるため、MAに求める機能も異なります。自社製品のターゲット領域に合ったMAを選定しましょう。

 もう1つは「導入したら終わりではない」という点を理解しておくことです。MAは、担当者があらかじめ作成したスコアリングルールに応じてマーケティングアクションを実行しますが、そのルールが正しいものであるとは限りません。MAを利用していく中で、スコアリングルールの見直しや調整(チューニング)を継続的に行うことが重要です。社会情勢など外部環境の変化に伴い顧客心理も変わっていくため、市場の状態を常にキャッチアップしていくことが求められます。

ベンダ製品の紹介

 MAの代表的な製品を紹介します。(リンクをクリックすると、各社の製品ページが開きます)

おわりに

 多くの製品があふれる現代において、競争力を高めるMAツールは非常に重要なツールです。しかし、導入するだけで大きな効果を発揮する魔法のツールではありません。スコアリングルールの継続的なチューニング、分析によるマーケティング施策の見直し等、やらなければならないことは多いです。マーケティングにおいて高い効果を出し続けるために自社で行うべき業務は何か、MAには何を期待するのかを整理した上で、導入を検討することをおすすめします。

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