SBTとは? 特徴や活用例を紹介

 SBTはSoulBound Token(ソウルバウンドトークン)の略で、「譲渡・売買できないトークン」のことを指します。トークンがその所有者を変更できず特定の個人のアカウントに永久にひもづいた状態となるため、魂にひもづいた(=Soul Bound)トークンと称されています。SBTは「非代替性」を持つという点ではERC-721に代表されるノンファンジブルトークン(NFT:Non-Fungible Token)の特徴と共通していますが、「譲渡・売買できない」という点では異なります。
 SoulBoundという概念は、Ethereumの考案者であるVitalik Buterin氏が2022年1月に自身のブログの中で譲渡や売買ができないNFTについて紹介したことで注目されるようになりました(※1)。ブログ内では、それまでの譲渡可能なNFTが「富」の象徴のようなものになっているのに対し、NFTを「富」だけでなく、「アイデンティティ」や「実績」を表すものにする必要性やそのための課題について述べられています。
 2022年5月にはPuja Ohlhaver氏、Eric Glen Weyl氏とともに「Decentralized Society: Finding Web3’s Soul」という論文が公開されました(※2)。この論文では、移転可能なトークンによる金融取引を中心に発展してきたブロックチェーンWeb3には信用や信頼を表現する仕組みが欠けていることを指摘しています。これに対し、SBTという譲渡できないトークンを導入することで社会的なアイデンティティを表現し、中央集権的な権力構造や意思決定プロセスを分散化させた分散型社会(DeSoc:Decentralized Society)を構築するビジョンを示しています。

 SBTはその性質から個人の経歴や実績、保有資格、イベントなどへの参加履歴を証明するデジタルな証明書として利用されています。2025年に開催された大阪・関西万博ではデジタルスタンプラリーにおいて、パビリオンへの訪問や関連するイベントへの参加を証明するデジタル証明書としてSBTが利用されたこと(※3、4)で注目を集めました。

 NFTと同様にSBTを管理するためには一般的にウォレットというアプリケーションを使用します。SBTは一度受け取ると譲渡できないトークンであるため、SBTを管理するウォレットの選定は慎重に行う必要があります。また、ウォレット自体の紛失や乗っ取りに注意が必要です。

参考文献

(※1)Vitalik Buterin's website 「Soulbound」
https://vitalik.eth.limo/general/2022/01/26/soulbound.html
(※2)Decentralized Society: Finding Web3's Soul
https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=4105763
(※3)HashPort、日本国際博覧会(大阪・関西万博)に向け「EXPO 2025 デジタルウォレット」の提供を開始  〜大阪・関西万博の機運醸成に向け、パビリオンや協賛企業・自治体と連携し、行動履歴を元にしたSBT・NFTを発行〜 | NEWS |
https://hashport.io/news/hashport%E3%80%81%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%8D%9A%E8%A6%A7%E4%BC%9A%EF%BC%88%E5%A4%A7%E9%98%AA%E3%83%BB%E9%96%A2%E8%A5%BF%E4%B8%87%E5%8D%9A%EF%BC%89%E3%81%AB%E5%90%91%E3%81%91%E3%80%8Cexp
(※4)大阪・関西万博におけるEXPO2025デジタルウォレットの成果について | EXPO 2025 大阪・関西万博公式Webサイト
https://www.expo2025.or.jp/news/news-20251225-02/