非代替性トークン(NFT)

 NFTとは、Non-Fungible Token(ノンファンジブルトークン)の略で、日本語では非代替性トークンといいます。NFTはデジタルの世界における証明書のような役割を果たし、固有性の高いデジタルデータに唯一無二のものであるという価値を与えます(図1)。これによって、NFTの所有者は”唯一無二のものを持っている”ことを証明できます。また、NFTの所有者は1つに決まるため、デジタルデータの所有者が誰なのかを明確にすることができます。

図1. NFTの概要

 デジタルデータに“所有権”の概念が生まれると、それを販売し、流通させることができるようになります。図2は、NFTの発行と流通を大まかに示したものです。アーティストや事業者が、自らが所有するデジタルデータの所有権を他社に販売したいと考えたとき、そのデータに紐づくNFTを発行し、それを買いたい人に販売することができます。NFTの購入者は、そのデジタルデータの新たな所有者となります。さらに、その所有権を手放したいと考えたときは、また別の誰かにNFTを販売することもできます。これは、NFT二次流通と呼ばれます。これらの取引においては、イーサリアムなどの暗号資産が決済通貨として多く用いられます。
 このように、デジタルデータ(の所有権を示すNFT)が暗号資産による決済で取引される市場が生まれることがわかります。これはNFTがもたらす新しい経済圏であり、トークンエコノミーと呼ばれます。NFT中心のトークンエコノミーが発展することで、デジタルデータが市場で自由に取引できるようになり、その経済的価値を拡大することが期待できます。

図2. NFTの発行と流通

(引用:大和総研フロンティア研究開発センター 『図解まるわかりNFTのしくみ』 翔泳社 2022年11月24日 p14-p15)

パブリシティ

図解まるわかり NFTのしくみ | 大和総研

レポート・コラム

2022年03月28日
履けないスニーカーとDX 2022年03月28日 | 大和総研 | 内山 和紀

2022年02月03日
地に足の着いた“メタ世界”の実現を望む 2022年02月03日 | 大和総研 | 内野 逸勢