再生可能エネルギー

 従来、我々の生活に必要なエネルギー源として、化石燃料(石炭や石油、天然ガスなど)が重要な役割を果たしてきました。しかし、化石燃料は形成されるまでに数億年かかることから、化石燃料由来のエネルギーは再生不可能なエネルギーと位置付けられています。これに対し、太陽光や風力、水力、地熱、太陽熱、バイオマスなど、持続的に利用可能な天然資源由来のエネルギーを再生可能エネルギーといいます。

 化石燃料は燃焼すると二酸化炭素などの温室効果ガス(GHG)を大量に排出します。気候変動に関する国際枠組みであるパリ協定では、気候変動の影響を最小限にするため、GHG排出量をできる限り早くピークアウトさせること、今世紀後半に、人為的なGHG排出量と、吸収源による除去の均衡を達成すること(ネットゼロ)を掲げています。パリ協定の目標を達成するため、先進国を中心に、化石燃料由来のエネルギー源から再生可能なエネルギー源へのシフトが進められています。

 一方で、再生可能エネルギーは天候などによって発電量が変動し、供給が不安定であることが課題として指摘されています。また、太陽光発電にはパネルを設置する広い土地の開発が必要になります。風力発電に用いられる風車も、騒音や景観への影響が懸念されています。再生可能エネルギーの普及にあたっては、こうした課題と向き合い、克服していく必要があります。

レポート・コラム

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