エンタープライズサーチ

 エンタープライズサーチとは、ファイルサーバやデータベース、クラウドストレージなどのあらゆる場所に存在する企業のデジタルデータを、横断的に検索できるシステムのことです。利用者はデータの保存場所を気にすることなくウェブ検索のようにキーワードで検索でき、欲しい情報を探す時間を大幅に短縮することができます。検索可能なファイルの種類は、Microsoft社のWord、Excel、PowerPoint、Adobe社のPDF、Google社のスプレッドシート、csvやZipなど多岐にわたります。主な機能として、社内文書をフォルダ名やファイル名で検索する機能に加え、文書内の単語が検索できる文書内検索機能や、社内の権限に合わせて文書の公開設定が行えるアクセス制御機能などがあります。

 近年、ChatGPTに代表される生成AI(ジェネレーティブAI)を企業活動で活用する取り組みが増えており、生成AIとエンタープライズサーチを組み合わせた活用方法が注目されています。エンタープライズサーチに生成AIの強みである高度な文書検索機能や文意の解釈機能を追加することにより、エンタープライズサーチの検索機能が強化されています。ChatGPTを活用したチャットボット形式での文書検索はその一例です。ChatGPTは一般に公開されている情報からしか回答をすることができませんが、エンタープライズサーチと組み合わせることにより自社で独自に管理している機密情報なども検索対象とすることが可能となります。
 他にも入力した文章からユーザーの検索意図を汲み取り検索結果に反映する「セマンティック検索」と呼ばれる機能もエンタープライズサーチに追加されています。これは単にキーワードを検索するのではなく、文意や単語間の関連性を考慮した情報の収集、分析、評価、選択の一連のステップを行い、検索結果を提供する機能です。この機能により従来のキーワード検索に比べてユーザーの意図やニーズに適した情報を提供することが可能になります。

 今後もエンタープライズサーチと生成AIの連携によって、業務効率化につながる機能の充実や検索の高度化が期待されます。

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