カーボン・クレジット

 カーボン・クレジットとは、ある主体が温室効果ガス(GHG)排出量を削減・除去した分を、第三者が取引可能なクレジットとして認証したものをいいます。何もしなかった場合のGHG排出量の見通しをベースラインとし、GHG排出量の削減効果が期待できるプロジェクトを実施することによる実際の排出量とベースラインの差分を、モニタリング・報告・検証(MRV)を経てクレジットとして認証したものです。

 GHG排出量の削減・除去によりカーボン・クレジットを創出する側は、カーボン・クレジットの売却により資金調達ができます。ネットゼロ目標の達成に向けてどうしても削減できないGHG排出がある主体は、カーボン・クレジットを購入することで相殺(カーボン・オフセット)に活用できます。

 また、カーボン・クレジットは、制度の運営主体に基づくと、国連・政府主導と民間主導(ボランタリークレジット)に分けられます。その他、プロジェクトの方法論に基づくと、森林減少・劣化抑制等や再生可能エネルギー設備の導入などの排出回避・削減系と、植林やDACCS(大気中のCO2 の直接回収・貯留)などの炭素吸収・除去系に分けられます。

 カーボン・クレジットの国内取引は従来、相対で行われていましたが、2023年10月にはグリーントランスフォーメーション(GX)政策を背景に東京証券取引所がカーボン・クレジット市場を開設し、取引所を通じた取引が可能になりました。今後、取引価格の透明性が高まり、取引が拡大することで、企業等のカーボンニュートラルへの取り組みの後押しにつながることが期待されます。

レポート・コラム

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ボランタリークレジットの信頼性向上に向けた取組み 2024年09月02日 | 大和総研 | 依田 宏樹

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東証カーボン・クレジット市場の動向と今後の市場活性化に向けた課題 2024年05月09日 | 大和総研 | 依田 宏樹

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