マテリアリティ

 マテリアリティとは、「重要性」や「重要課題」を意味します。企業の経営計画や経営戦略等で「マテリアリティ」といわれるときには、企業が経営を行っていく上で優先的に取り組むべき重要な課題のことを指します。企業はマテリアリティを特定し、その内容を開示することによって、自社の経営戦略やビジョンに沿って企業価値を高める上で重視していることを、投資家を含むステークホルダーに向けて伝えることができます。

 マテリアリティとは、財務会計においては企業の財務的に重要なものを指します。一方で、サステナビリティに関する文脈では企業の財務への影響だけではなく、企業の事業活動などが環境、社会、ステークホルダー(企業にとっての利害関係者)に与える影響に基づいた重要性や重要課題を指すこともあります。

 企業がマテリアリティの特定や開示を行う上では、そのプロセスや基準も重要なポイントとなります。例えば、課題のリストアップを行い、それらを「自社にとっての重要性」と「ステークホルダーにとっての重要性」の二軸で評価して優先付けを行う、といったケースも見られます。こうしたプロセス等が整理・開示されていることで、投資家を含むステークホルダーは企業がマテリアリティをどのように捉えているのかを理解することができます。

レポート・コラム

2021年01月12日
乱立するESG情報の開示基準とその現状 2021年01月12日 | 大和総研 | 藤野 大輝 | 大和 敦