ワーク・ライフ・バランス

 ワーク・ライフ・バランスとは、仕事と生活の調和を取ることを意味します。ワーク・ライフ・バランスというコンセプトの起源は、英国の産業革命時代(19世紀前半)に遡るといわれています。当時、過酷な労働を強いられた工場労働者、特に女性や子どもの保護を目的に、労働時間を制限する制度が初めて設けられました。

 現代におけるワーク・ライフ・バランスは、仕事と生活のどちらかを犠牲にすることなく、双方を充実させること指します。日本でワーク・ライフ・バランスが注目されるようになったのは2000年代です。多様な働き方・生き方が選択できる社会の実現を目指す機運が高まり、2007年に内閣府は「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」および「仕事と生活の調和推進のための行動指針」を策定・公表しています。

 ワーク・ライフ・バランスの実現には、雇用する側である企業の取り組みが欠かせません。リモートワークの導入や休暇制度の充実など、働く人々が仕事と生活を両立させるための環境整備が求められます。ワーク・ライフ・バランスの推進は、従業員の働く意欲の向上や、心身の健康保持・増進などが期待されることから、企業にとっても優秀な従業員の確保・定着や、生産性の向上等のメリットがあるといわれています。