ISSA5000(国際サステナビリティ保証基準)

 ISSA5000とは、サステナビリティ情報に対する保証に関する国際的な基準です。財務情報・非財務情報の監査や保証に関する国際的な基準を設定している機関である、IAASB(国際監査・保証基準審議会)が2024年 11月に公表しました。

 近年、サステナビリティ情報の開示が拡充されていますが、定性的な情報も多く、その信頼性が課題となります。企業が有価証券報告書等で開示する財務諸表に対しては、制度上、監査人による監査が行われ、監査報告書が付与されることでその信頼性が担保されています。しかし、サステナビリティ情報に対しては各企業が自主的に第三者からの保証の取得を行っているケースが見受けられます。

 ISSA5000は、サステナビリティ情報に対する第三者保証へのニーズを踏まえ、サステナビリティ保証業務に適用される基準として開発されました。その特徴として、保証の対象範囲が広いことが挙げられます。保証業務の対象となるサステナビリティ情報は環境、社会、ガバナンスなどの各種トピックのガバナンス、リスク管理、戦略などの側面を対象としています。情報の開示媒体・方法も限定されていません。また、財務情報に対する監査とは異なり、サステナビリティ情報の保証業務の実施者を会計監査人や監査法人といった職業会計士に限定していないこともISSA5000の特徴といえます。

 日本では、有価証券報告書におけるサステナビリティ情報の開示がさらに拡充されることが見込まれています。これに併せて、開示されるサステナビリティ情報に対する保証取得を義務化することも議論されており、義務化の際にはISSA5000を参考とした日本版の保証基準を作成し、適用することが考えられています。

レポート・コラム

2024年12月4日
サステナビリティ情報の保証をめぐる動向 2024年12月04日 | 大和総研 | 藤野 大輝

2024年4月12日
SSBJの日本版サステナビリティ開示基準案 2024年04月12日 | 大和総研 | 藤野 大輝