無形資産とは、企業が保有する‟形のない資産”を指します。具体的には特許や商標、ブランドなどの知的財産、ソフトウェアやデータベース、人的資本(社員が持つ知識やスキル、経験など)などがあげられます。従来、企業価値の源泉として機械設備やビル、原材料や在庫品など、形のある資産(有形資産)が注目されていましたが、近年では無形資産の重要性が広く認識されています。
企業が保有する無形資産の状況を把握することは困難です。特許権やソフトウェア、のれん(営業権)等、一部の無形資産は企業の貸借対照表に計上されますが、多くは財務諸表(※1)には反映されません。企業による非財務情報開示(※2)から読み取ることが必要になります。
国内で開示が義務化されている非財務情報としては、例えば有価証券報告書の記述情報があげられます。投資家から非財務情報の開示を求める声が強まっていることを受け、自発的に統合報告書やサステナビリティ報告書を作成したり、ウェブサイト上での開示を充実させたりするなどの取り組みを行う企業も増えています。
(※1)企業の一定期間の財務状況をまとめたもので、代表的なものとして財務三表(損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書)があげられる。
(※2)非財務情報とは、企業の財務諸表からは読み取れない情報を指し、例えば経営者の考え方やサステナビリティに関連する取り組みなど、幅広い情報が含まれる。
レポート・コラム
2022年01月13日
生産性を高める無形資産と人材・環境整備の重要性 2022年01月13日 | 大和総研 | 溝端 幹雄
2018年07月23日
胎動する非財務情報開示 2018年07月23日 | 大和総研 | 吉井 一洋 | 横山 淳