中期経営計画とは、企業の長期ビジョンに基づき、今後3~5年間の経営方針や、経営目標、事業戦略のロードマップをまとめた計画のことです。中期経営計画は主に、①経営理念、②経営ビジョン、③過年度中計の振り返り、④外部環境認識、⑤基本方針/重点施策、⑥財務目標、⑦非財務目標、⑧株主還元方針で構成されます。
中期経営計画は、株主・従業員・顧客などのステークホルダーに対する経営のコミットメントです。そのため、企業は目標の実現に向けて最善の努力をし、目標が未達成に終わった場合は、その原因や自社が行った内容を分析した上で、ステークホルダーに説明し、次期以降の計画に反映させることが求められます(※1)。
日本IR協議会のアンケート(※2)によると、上場企業の約70%が中期経営計画を作成し公表しています。
近年、機関投資家はROEやROICといった資本効率に関する指標を重視する傾向にあり、そのニーズに応える形で、中期経営計画にROEやROIC目標を設定する企業が増加しています(※3)。また、計画を毎年更新する“ローリング型”を採用しているケースも増えてきています。
参考文献
(※1)東京証券取引所「コーポレートガバナンス・コード」(2015年6月制定、2021年6月改訂版)
https://www.jpx.co.jp/equities/listing/cg/tvdivq0000008jdy-att/nlsgeu000005lnul.pdf
(※2)一般社団法人日本IR協議会「2022年IR活動の実態調査」
https://www.jira.or.jp/download/gaiyou2022.pdf
(※3)一般社団法人生命保険協会「生命保険会社の資産運用を通じた「株式市場の活性化」と「持続可能な社会の実現」に向けた取組について」
https://www.seiho.or.jp/info/news/2023/pdf/20230421_3-1.pdf