レジリエンス

 IT分野におけるレジリエンスとは、システム障害、災害、サイバー攻撃等が発生した際、被害から迅速に回復し、サービスを正常な状態に復旧する能力を指します。もとは心理学の用語で、困難や逆境、ストレスフルな状況から回復する力を意味します。

 DXがあらゆる業界で進み、ITが社会にとって必須のインフラとなった現在、システム障害は多くの利用者に影響を及ぼすことから、サービスの提供においては業務継続性が求められています。システム障害は起こらないことが理想ですが、たとえ堅牢なシステムでも人為的なミスや機器の故障、想定外の事象は起きるものであると認識することが重要です。すなわち、「システム障害の発生を完全に避けることはできない」、「システム障害の要因を根絶することは不可能である」という前提に立つ、ということです。システム障害が発生してしまった際の影響を最小化し、いち早く復旧・業務継続ができるよう、システム障害が起こりにくい構成、かつ、システム障害の予兆を検知し迅速に復旧できる構成・運用を実現することが、レジリエンス獲得・向上における基本的な考え方となります。

 書籍『ITレジリエンスの教科書 止まらないシステムから止まっても素早く復旧するシステムへ』では、システムの導入・開発においてITレジリエンスを確保するために留意すべきポイントについて詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

レポート・コラム

2021年09月28日
大阪の目指す「国際金融都市」の姿 2021年09月28日 | 大和総研 | 中村 昌宏