心理的安全性

 心理的安全性(psychological safety)とは心理学用語で、「お互いにどのような意見を言い合っても対人関係の問題が起こることはないという安心感が、チームの全員に共有されている状態」を指します。失敗をしたり、質問を投げかけたり、新しいアイデアを出したりすることをとがめられることはないと、チームの全員が確信している状態です。心理的安全性が高いチームでは、相手のネガティブな反応を恐れることはなく、率直な意思疎通や、自由な議論ができます。また、能動的な学習志向の行動が可能となり、効果的なパフォーマンスが促進されると考えられています。

 心理的安全性は、人的資本経営や健康経営®の推進においても重要な役割を果たすと考えられます。たとえば、人的資本経営の重要な要素のひとつにダイバーシティ(多様性)がありますが、異なる意見を持つ人が集まって創造的な仕事をするためには、さまざまな意見を受け止める職場の雰囲気が必要です。また、心理的安全性の高さは対人関係のストレスを軽減させると考えられるため、健康経営において重要な課題となるメンタルヘルスの維持やエンゲージメントの向上にもつながるでしょう。

※「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

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