分散型ID(DID)

 DIDとはDecentralized Identityの略で、日本語では分散型IDと訳されます。DIDは従来の中央集権的なIDの管理ではなく、ブロックチェーンなどの技術を用いて個人が自身のIDを自分自身でコントロールし、必要な情報だけを必要な範囲で共有することができるIDの仕組みを指します。また、DIDのような「アイデンティティ情報の主権者は個人である」という考え方を「自己主権型アイデンティティ(SSI:Self-Sovereign Identity)」と呼びます。

 現在主流である集中型のID管理は企業や政府等によって一元管理されるものですが、適切に管理できないことによる情報漏洩・悪用などの問題が度々発生しています。また、異なるシステムやサービス間ではIDの相互利用ができないため、IDの使い分けや複数パスワードの管理など、ユーザの利便性が損なわれるという問題もあります。
 サービス提供側に依存しないDIDはこうした問題に対して有効であるとされ、近年注目されています。

 DIDを実現する技術として分散型識別子(DIDs:Decentralized Identifiers)があり、Webに関する標準化団体である「World Wide Web Consortium(W3C)」により、2022年7月19日に「Decentralized Identifiers(DIDs) v1.0」として標準規格が公表されました。

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