クラウド移行とは、社内のサーバ等で管理していたデジタル資産をクラウド環境へ移行するプロセス、あるいは異なるクラウド間の移行プロセスを指します。
オンプレミス環境からパブリッククラウド環境へ移行する場合、以下のような手順で移行を進めていきます。
1. 移行対象とする資産の選定
クラウド移行を行う目的の確認や移行先のクラウド環境の調査などを行います。その上で、社内のドキュメントやソフトウェア、ハードウェア、ログインのためのIDやパスワードといった情報資産を把握し、どの資産を移行するかを検討します。
2. 具体的な移行方法の検討やスケジューリング
移行対象の情報資産の量やコスト面などを考慮してクラウドプロバイダー及びベンダーを選定するとともに、必要な社内の人員を調整します。また、移行対象としたシステムの構成に応じて、他のシステムや業務に影響を及ぼさないように移行実施のタイミングを関係者間で連携します。
3. 移行の実施と運用・保守体制の整備
スケジュールに沿って情報資産を順番に移行していきます。作業中のトラブルに備えて、事前に切り戻しの基準なども設定しておく必要があります。移行が正常に終了した後は、クラウド環境の運用・保守を行うための人員配置やトラブル発生時の対応の検討を行います。
多くの企業において、クラウド移行の目的は運用コスト削減だけでなく、クラウド活用により新たなビジネス価値を生み出すことに主眼を置くケースが多いです。移行後にクラウドの利点を引き出せるよう、クラウド移行を作業として運用ベンダーに任せるのではなく、企業が自社のクラウド戦略に基づき舵取りを行い、主体的に進めていくことが重要です。
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