ビジネスアナリシス

ビジネスアナリシスとは

 ビジネスアナリシスとは、企業が対応すべき問題や機会を特定し、企業価値を高めるための変革を推奨し推進するための手法です。ビジネスアナリシスを行う専門家はビジネスアナリスト(BA)と呼ばれ、企業内外の情報収集や分析、変革のための戦略策定、関連する部門やステークホルダーとの共同作業、変革を実現するためのソリューションの策定等を実施します。企業が新たなビジネスプロセスを設計・構築する中で中核的な役割を担ってきましたが、特に近年では、企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に注力する中で、ますますその需要が高まっています。

日本におけるビジネスアナリスト

 ビジネスアナリシスを実行する担当者であるビジネスアナリストは、欧米では広く普及した職種であり、業務変革や継続的な業務改善を推進する専門的な役割として、企業内に在籍するケースが多く見られます。一方、日本においては、ITエンジニアを内製化している企業が少数派であるのと同様に、ビジネスアナリストを専門的に務める社員がいないまたは少数である企業が主流です。代わりに、コンサルティング会社やSIベンダーに在籍する業務コンサルタントが、顧客企業のプロジェクトにおいてビジネスアナリストの役割を担うケースが多くなっています。

ビジネスアナリストの業務領域

 ビジネスアナリストが携わる変革活動の大半では、ソリューションとしてITが活用されますが、ビジネスアナリスト自体がシステム開発のプロジェクトマネージャやエンジニアの役割を担うわけではありません。それぞれの専門家に対して、変革活動を通じて達成する必要がある要求を伝え、変革全体をコーディネートするのがビジネスアナリストの役割です。ビジネスアナリストとエンジニアの知識・スキルを比較すると、エンジニアが特定ソリューションにおいて高い専門知識や技術力を持つのに対して、ビジネスアナリストは最適なソリューションを選択するための幅広い知識を備えているのが特徴です(図1)。

図1.ビジネスアナリストとエンジニアの違い
(出所)大和総研作成