ニューロファイナンス

 ニューロファイナンスとは、脳科学とファイナンス理論を組み合わせた比較的新しい研究領域で、投資家や市場参加者の意思決定プロセスを脳科学の知見から説明しようとするものです。ニューロファイナンスは、行動経済学や行動ファイナンスといった分野とも関連しており、これらの延長線上にあると考えることもできます。
 たとえば、fMRI(磁気共鳴機能画像法)を用いて、被験者がリスクのある金融商品を選択する際に活性化する脳の領域について調べた研究(※)があります。この研究は、金融行動における重要な要素であるリスクの評価を、脳活動によって計測できることを示唆しています。
 従来、行動ファイナンスと呼ばれる研究領域では、このような金融行動を心理学の知見から分析していましたが、脳科学とテクノロジーの発展により、脳の活動を直接分析することが徐々にできるようになってきています。

(※)Kuhnen, C. M., & Knutson, B. (2005). The neural basis of financial risk taking. Neuron, 47(5), 763–770.
https://doi.org/10.1016/j.neuron.2005.08.008