AWS全認定資格を取得した若手エンジニアのJapan AWS Jr. Championsとしての挑戦と成長の記録

 こんにちは、大和総研証券システム第四部の水村です。

 大和総研ではクラウドを通じてお客様に価値を提供すべく、2021年度よりパブリッククラウドの推進組織(CCoE: Cloud Center of Excellence)を設置し、クラウド活用を推進しています。

 唐突ですが、みなさんはJapan AWS Jr. Champions(以下、Jr.Champions)をご存じでしょうか。2023年に設けられた新しいAWSの表彰制度のため、認知度はまだ低いかもしれません。

 AWSの表彰制度としては、他にもJapan AWS Top Engineers(以下、Top Engineers)やAWS Ambassadors(以下、Ambassadors)があります。Jr.Championsは、AWS Partner Network参加企業に所属している若手エンジニア(入社1~3年目の社員)を対象に、AWSに関する技術的な知識を学び、周囲の若手エンジニアの成長を促進する上で影響を与えている方を表彰する制度です。

 これらの表彰制度で選出されたエンジニア達を中心としたコミュニティ活動(ミートアップ、Lightning Talks(以下、LT)、勉強会等)が毎月行われています。

図1. 2023 Japan AWS Jr. Championsロゴ

 私は、2023年4月にJr.Championsに選出され、1年間さまざまな活動を行ってきました。取り組み自体が新しいので、不安を感じることも多くありましたが、それ以上にたくさんの恩恵を受けることができました。本記事では、私がJr.Champions にどのように応募したのか、選出された後にどのような活動をしたのかについてお伝えします。私の体験談を通して、Jr.Championsを知らない若手エンジニアやJr.Championsを目指している方に、その魅力をお伝えできればと思います!

Jr.Championsのクライテリアと応募した内容

 最初に、Jr.Championsのクライテリアと私がどのような内容で応募したかをお伝えします。

 クライテリアとは、応募要項のことです。クライテリアは毎年変わるので事前にAWS社の公式サイトをご確認ください。

 選考の上で最も重要なのは、「AWSに関する活動」の内容です。「AWSを学び始めたきっかけ」の他、下記3つの要素からなる「Contributionカテゴリー」について提出する必要があります。

  • Challenge:AWS に関して実践してきたチャレンジ。たとえば、技術的な挑戦や、新しいことへのチャレンジなどです。
  • Influence:周囲に与えた影響。たとえば、コミュニティのリードや、自ら起点となって発信をしているかなどです。
  • Output:アウトプットを通じた周囲への貢献。たとえば、勉強会や発表、外部イベント登壇、社内トレーニング整備などです。

出所:2024 Japan AWS Jr. Champions クライテリアと申し込みサイトのお知らせ https://aws.amazon.com/jp/blogs/psa/2024-japan-aws-jr-champions-criteria/

「AWSを学び始めたきっかけ」

 私は1人でシステムを作ることができるエンジニアになることを目標にしています。入社1年目のときに簡単なアプリを作る際、手軽さ、情報の多さを理由にAWSを利用し始めました。これによりAWSに興味を持ち始め、2年目のときにAWSを扱うプロジェクトにアサインされました。そのプロジェクトでは、Cloud Formationを使ったIaCに取り組むなど、AWSサービス全般やAWSサービス同士の連携を幅広く学ぶきっかけとなりました。

Challenge

 アプリ作成やプロジェクト参画に並行し、AWS認定資格の取得の学習を通じてAWS技術の習得を進めました。大和総研のCCoEでは、認定資格取得のキャンペーン制度を実施しており、その制度を利用して2023年2月にAWSの全認定資格(当時、全12資格)を取得することができました。

写真1.AWS全認定資格取得の記念品(大和総研撮影)

Influence

 入社3年目の時に担当したシステム構築プロジェクトでは、AWSのプロジェクト未経験のメンバーもいたため、私自身が分かる技術的なところは積極的に教え、分からないところは一緒に調べて解決するといった活動をしていきました。AWSは公式ガイドの他にもブログ発信が活発ですので情報収集に困ることは少なかったです。プロジェクトのメンバー全員のスキルアップに貢献できたと感じています。

Output

 Jr.Championsに応募した当時は、社外のコミュニティには参加したことがありませんでしたが、社内のAWSコミュニティには積極的に参加していたので、その経験を記載しました。

Jr.Championsの活動

 2023年4月に幕張メッセにて開催されたAWS Summit Tokyoにて、全51社、総勢82名のJr.Championsの1人として選出されました。 その後は、選出されたJr.Championsが集まるイベントに毎月参加しています。また、社内でも積極的に情報発信を行ってきました。 

Jr.Champions限定ミートアップ

 各社のJr.Championsが集まるミートアップが毎月オンラインで開催されました。ミートアップでは、LT会やAmbassadorsとのネットワーキングなど、さまざまな内容でイベントが開催されています。DeepRacerタイムトライアルというイベントでは、自走型レーシングカーであるDeepRacerを使って強化学習を学びました。私は、強化学習を経験したことがなかったので、非常に学びの多いイベントでした。

 Jr.Champions限定ミートアップでのLT登壇は、AWSクイズの成績上位者だったりAWSの方が選考するのですが、毎回倍率が高くなかなか選ばれません。それでも、他の方と被らない自分らしい企画を考え、合計4回の登壇機会を勝ち取り、貴重な経験を積むことができました。Jr.Championsに選出される前は、人前で話すのが苦手で、何を話しているのか自分でもわからなくなってしまうような性分でしたが、発表回数を重ねるごとに徐々に自信を持って話すことができるようになってきたと感じています。

写真2.ミートアップでのLT登壇の様子(大和総研撮影)

Jr. Champions 勉強会

 各社のJr.Championsで、有志で集まり勉強会を行っています。毎回テーマを決めて発表をしていますが、毎回多くの立候補があります。時にはTop Engineersに向けて発表する機会があったりと、Jr.Championsに留まらない勉強会となり盛り上がっています。同年代の方のLTを聞くことで、共感できる点や技術的に勉強になる点だけでなく、会社の文化の違いや業界特性によるシステムに求める優先度の違いなどの発見があります。毎回とても興味深く、モチベーションアップにつながっています。

Top Engineers、Ambassadors合同イベント

 Jr.Champions、Top Engineers、Ambassadorsの合同イベントも複数回開催されました。GameDayやワークショップのような体験型の研修で学び、研修後は懇親会も催されました。AWSという共通の話題を接点に、会社もキャリアも違う先輩方から情報を得ることができるので、毎回、非常に勉強になりますし、自分を客観視しながら将来像を固めることができます。

社内Jr.Championsコミュニティ

 社内では、Jr.Championsに選出されたメンバーが中心となり、「AWS 利活用を促進し、継続的に学ぶ文化を形成すること」を目的とした新たなコミュニティを立ち上げました。2023年8月から毎週のように資格取得勉強会、実践型の勉強会、自由テーマの勉強会を開催し、2023年2月時点で計55回のイベントを開催し、累計600名近くの社員が参加するコミュニティに成長しました。

 参加者数が伸び悩んだり、講義資料作成に時間をとられたりと苦労も多いですが、参加者からはアンケートや対面で「勉強会のおかげで資格が取れました」、「実際に構築するところを見ることでイメージが湧いた」といった声をもらえるとやってよかったなと感じます。コミュニティを一緒に引っ張ってくれた運営メンバーや活動を応援してくれている上司の方々には本当に感謝しています。

おわりに

 本記事ではJr.Championsの選出と1年間の活動について紹介しました。Jr.Championsでの活動を通じて、LT登壇でOutputしたり、社内のコミュニティ設立を通してInfluenceしたりするなど、Challengeの多い1年間となりました。同じJr.Championsの方やTop Engineers、Ambassadorsの方とのコネクションが広がることもJr.Championsでの活動の大きなメリットの1つです。この記事を読んだ人にJr.Championsの魅力が伝わり、Jr.Championsを目指す方が増えてくれると嬉しいです。

 私自身は、エンジニアとしてまだまだ未熟で知識も経験も足りないという自覚を持ちながらも、「1人でシステムを作ることができるエンジニアになる」という目標を忘れずに、これからも日々精進したいと思います。Jr.Championsの経験を生かして、お客様により良いソリューションを提供できるよう努めます。また、これからも、Top Engineersやその先のAmbassadors選出を目指して、活躍の幅を拡げていきたいと考えています。

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