UI/UX

 UI(User Interface)とは、製品(サービス)とユーザとの接点のことです。例えば、パソコンやスマートフォンの本体の外観、感触などを指します。ソフトウェアの例では、Webサイトやアプリケーションの画面の見た目がUIに該当します。
 一方、UX(User Experience)とは製品(サービス)の利用によって得られる体験のことです。例えば、操作が直感的で間違えにくい、ボタンを押した後の応答が早い等の体感や、使っていて楽しいという満足感、わくわくするといった期待感など、非常に広い概念を指します。

 この用語解説のように、「UI/UX」などと並べて表現されることがありますが、双方の意味する領域は異なります。UIはユーザと製品がやり取りするための手段であり、UXは製品の利用手段(UI)に加えて、それを利用する場所や状況など、ユーザの環境も含めたサービス全体の使いやすさ・心地よさに該当します。したがって両者は、「UIを通してUXを得る」という関係性となります。

 サービスのUX向上が売り上げに直結することは多くの企業が認識しています。今日においてUXが重要視されるようになった要因として、消費者の志向が多様化し、関心がモノからコト(体験)にシフトしていった背景があります。魅力的なサービスであり続けるためには、洗練されたUIだけでなく、ユーザの感情に訴え共感を得られるようなUX観点でのサービス設計が不可欠となりました。
 「UXをユーザに提供すること」は、製品自体だけでなく、購入前のリサーチから購入後のサポートを含む、製品に関わる一連の体験プロセスを対象とします。したがって、UXの向上には製品に関わる全ての部門が一丸となって取り組む必要があります。

 テクノロジーの進化によってユーザ体験のバリエーションの幅はここ数年で大きく広がり、今後さらに加速していくことが予想されます。例えばAR/VRといった新しい技術ニーズや、ダイバーシティの推進、働き方の多様化などユーザ自身の意識・行動の変化によって、UXがカバーする領域とその重要性も今後必然的に拡大していくでしょう。