SWOTとは、企業の内部資源における①Strengths(強み)、②Weaknesses(弱み)と、外部環境における③Opportunities(機会)、④Threats(脅威)の4要素を評価・分析し、経営戦略の方向性を指し示す、戦略策定のためのフレームワークの一つです(図1)。これにより、自社に好影響もしくは悪影響を与える内部環境と外部環境を整理できます。典型的なSWOTの構成要素には、次のようなものがあります。
Strengths(強み)
・ 他社にはない顧客基盤がある
・ 特許技術を有している など
Weaknesses(弱み)
・ 知名度が低い
・ 原材料仕入れにおける価格交渉力が低い など
Opportunities(機会)
・ 法改正によって新たな市場が形成される可能性がある
・ インバウンド増によって海外顧客の増加が見込まれる など
Threats(脅威)
・ 円安による仕入価格の上昇が見込まれる
・ 他業種からの参入による競争の激化が見込まれる など
出所:大和総研作成
さらに、アクションレベルにまで落とし込んだ分析手法として「クロスSWOT」があります(図2)。クロスSWOTは、外部環境(機会・脅威)と内部資源(強み・弱み)を交差させるように4象限のマトリクスを作成し、戦略を検討する際に用いられます。例えば、強みを使い脅威からの影響を軽減するための施策を立てることや、機会を取り逃さないよう自社の弱みを補強する施策を立てる際に、このフレームワークを用いて整理できます。
出所:大和総研作成