新興国のスペシャリストとして
独自性のある情報発信をめざす
調査本部
経済調査部
【2008年入社】
増川 智咲
新興国経済を専門とするエコノミストとして、若手時代にはロンドンリサーチセンターに駐在し、ヨーロッパ諸国やブラジルなどの経済分析を通じて見聞を広めました。その後、ミャンマーに関する書籍の執筆や国際協力銀行への出向時にASEAN諸国を巡ったことをきっかけに、同地域のスペシャリストとしてキャリアを重ねてきました。2度の産休・育休を経て復職した後、近年はインド経済も担当しています。多くの国々を実際に訪れて調査に従事した経験を生かし、レポートをはじめ講演やメディア出演などで、わかりやすく独自性のある情報発信に努めています。
キャリアサマリー
入社前
キャリアの原点は学生時代に
訪れたタジキスタン
シンクタンクでリサーチの仕事がしたいと思ったきっかけは、学生時代にUNICEFのインターンシップでタジキスタンを訪れたことです。当時のタジキスタンは旧ソ連の中でも特に貧困層が多く雇用も不安定で、学校を卒業しても働く場所がないという人たちを目の当たりにしました。そこで、開発途上国の雇用創出に貢献したいという思いから、経済に関する提言ができるエコノミストをめざすようになりました。このとき抱いた問題意識は今でも持ち続けていて、しばしばレポートの題材にもしています。
2~4年目
ロンドンに赴任し、
さまざまな状況の国々を調査
入社した翌年、ロンドンのリサーチオフィスの立ち上げに携わることになりました。当時のヨーロッパはギリシャの経済危機に起因する不況のさなかでしたが、出張で訪れたブラジルは高度成長の真っただ中で、「明日は今日よりも良くなる」という雰囲気が漂っていました。また、ロシア出張でアポ取りからインタビュー、レポート執筆という一連の作業を1人でこなしたことも印象に残っています。仕事もプライベートも初めてのことばかりで苦労はありましたが、さまざまな状況の国々を実際に見て調査したことで、多くの知見が蓄えられました。一緒に赴任して、積極的にチャンスを与えてくださった当時の上司にはとても感謝しています。
4~5年目
ミャンマーに関する書籍の
執筆からASEANの専門家に
次のターニングポイントは、大和総研で出版した『ミャンマー開国』という書籍の執筆に携わったことです。イギリスから帰ってきてからしばらく日本経済を担当していて、それまでの人生でもミャンマーとは特に縁がなかったのですが、途上国のために役立ちたいという気持ちが強かったので、執筆メンバーに入りたいと志願して必死に勉強しました。この仕事がきっかけとなり、ASEAN経済の専門家としての道が拓けたので、未知の領域にも積極的に挑戦することが大切だと実感しています。
5~13年目
出産・育休を経て、効率的な
働き方をめざすように
5年目の途中から、2年間にわたって国際協力銀行に出向しました。私が所属していたのはASEAN諸国の返済能力を調べるソブリン審査を行う部署で、実際に足を運んで現地調査に携わりました。各国の経済状況だけでなく文化や人々の考え方にも触れたことは、帰任後の調査やレポートの執筆でもたいへん役立っています。その後、2016年と2018年に出産して、それぞれ育休を取得しました。出産前は何事にも妥協しないという気持ちが強く、時間をかけて粘ることが多かったのですが、復職後は限られた時間の中で最大限の成果を出せるよう、効率的に働くことを意識するようになりました。また、日々のパフォーマンスを維持するうえで欠かせない睡眠や健康管理も大切にしています。
13~16年目
子育てをしながら
アジア諸国の貿易を調査
復職してからは新興国経済の調査に戻りました。この時期はCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)が発効した直後だったこともあって貿易に関する調査が中心で、アジア事業調査部の方と一緒にレポートを書いたり、ラオス国立大学の学生に対してオンライン講義を担当したりといった経験もできました。また、大和総研の変化を実感する機会も多くありました。在宅勤務やフレックスタイムなどの制度が整備されたことで、育児との両立をするうえでも、より働きやすくなったと実感しています。
現在
さらにフィールドを広げて
キャリアアップ
家庭との両立を図りながらも新しい挑戦は続けていて、2024年からはインド経済も担当しています。インドは社会の仕組みや宗教がASEAN諸国とはずいぶん異なるので、初めは難しそうだなと思っていたのですが、実際に訪れてみるとその違いが非常に興味深く、その後に執筆したレポートも好評でした。ASEANとインドの双方に精通していて比較検討ができるエコノミストは少ないので、キャリアアップにつながった一つの要素だとも思っています。
今後の展望について
子どもたちの成長とともに仕事に注力できる時間は増えつつあるので、今後はASEANやインドのほか中南米、アフリカにも目を向けていこうと考えています。新興国のスペシャリストとしてさらに実力を伸ばし、レポートを通じて有益な情報を提供して、一様ではない新興国の魅力を知っていただくことが目標です。また、さまざまな人と関わるのが好きなので、マネジメントにも挑戦してみたいですね。
※記載された原稿は取材当時の内容です。