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もっと青く、もっと熱く。

PROJECT STORY 03

国の税制改革を受け、
絶対に
遅延できないミッションに挑む

PROJECT MEMBER

  • 是枝 俊悟

    リサーチ部門
    調査本部 金融調査部 兼
    金融システム事業本部
    金融ITコンサルティング部
    【2008年入社】
    官公庁や国会議員に向けて大和証券グループとしての提言作成の取りまとめ役を担うとともに、システム部門のメンバーと連携してシステム改修の段取りをサポート。また金融制度の専門家として、グループ外の金融機関への情報提供も行う。

  • 田所 大

    システム部門
    金融システム事業本部
    基幹システムプラットフォーム部
    【2009年入社】
    大和証券のお客様がオンラインで証券取引を行うための売買注文システム「ダイワのオンライントレード(DOT)」の改修チームのリーダーとして、要件定義から設計、開発、保守までを一気通貫で担う。

  • 野田 康洋

    システム部門
    大和証券システム本部
    リテール基幹システム第一部
    【2013年入社】
    大和証券社員が利用する基幹システムを担当し、利用者から見える部分にあたるフロント領域を設計・構築するチームのリーダーを務める。

  • 菅野 早紀

    システム部門
    大和証券システム本部
    リテール基幹システム第一部
    【2019年入社】
    大和証券社員が利用する基幹システムを担当し、利用者から見えないバック機能を改修するチームのリーダーを務める。

  • 五十嵐 真吾

    システム部門
    金融システム事業本部
    金融フロントシステム部
    【2021年入社】
    大和証券グループ以外の証券会社に提供しているオンライントレードシステム(WB4)の改修に携わる。

  • 二村 彰範

    システム部門
    金融システム事業本部
    金融基幹システム部
    【2019年入社】
    銀行や保険会社の営業員・事務担当者が利用する基幹システム「SONAR-MF」の改修チームでサブリーダーを務める。

CHAPTER 1

2022年秋、政府は「新しいNISA」(以下、新NISA)の創設を決定しました。投資上限額や非課税保有期間を大幅に拡充することによって国民の資産を貯蓄から投資へとシフトさせ、資産所得増加を促すのが目的でした。
その際に定められた制度開始日は2024年1月1日。すなわち、国内の金融機関はそれまでに新制度へ対応したシステムを完成させなければなりません。
業界全体を巻き込んだ大規模な制度改革にあたって、大和総研は制度設計に関する政策提言と金融機関向けシステムの開発・改修という2つの役割を担いました。リサーチ部門とシステム部門が連携して1年後のゴールをめざす、前例のないプロジェクトでした。

NISA制度の変更点

CHAPTER 2

大和総研では、NISA制度の改正が検討され始めた2022年春から対応を進めていました。「首相からNISA制度を抜本的に拡充する方向性が示されて以降、最新の動向をリサーチして必要な情報を社内の各部門や金融機関に提供するとともに、官公庁や国会議員に向けた大和証券グループとしての提言作成にも携わりました」と、是枝は当時の動きを語ります。
そして12月、税制改正大綱の発表とともにシステム部門も本格始動となりました。大和証券のオンライン取引システム「ダイワのオンライントレード(DOT)」、グループ外の証券会社向けシステム「WB4」、銀行や保険会社の営業員・事務担当者が利用し、受発注・口座・残高等を管理する基幹システム「SONAR-MF」など、あらゆるシステムを新制度に対応させなければならず、複数のチームが同時並行で開発を進めていきました。要件定義から構築までの工程でこのプロジェクトに携わったメンバーは、国内外のパートナー企業も合わせるとおよそ200名にもおよびました。改修範囲が広く時間が限られているだけに、それだけのマンパワーが必要だったのです。

システムの構成

CHAPTER 3

「遅延は絶対に許されない」、これはプロジェクトに携わるメンバ全員の共通認識でした。2024年1月スタートは決まっていたため、タイトなスケジュールのなかでも、なんとしてもそこに間に合わせる必要があるのです。
とはいえ、ただひたすら作業を進めればよいというものでもありません。新NISAでは制度そのものが抜本的に変わるため多数のシステムを同時に改修する必要があり、しかもそれらが連動しているのが大きな問題でした。田所は「他システムと連携して処理する部分が一定数あって、その接続テストには苦労しました」と振り返ります。
また、多くのユーザーが利用していて日本経済を支えるミッションクリティカルなシステムなので、改修によって稼働を止めるわけにもいきません。「システムを利用した業務が少ない時間帯に作業した方が安全といった理由から、夜に確認作業を行うこともしばしばありました。連日の夜間対応は大変でしたが、チーム一丸となって乗り越えました」と菅野が語るように、負荷のかかる作業も少なくありませんでした。

部門を超えた連携

CHAPTER 4

新NISAの制度設計も、開発と並行してどんどん進んでいきます。金融庁から新たな情報が示された際には、リサーチ部門からシステム部門へと迅速に展開し、効率的かつ精度の高いシステム設計をめざしました。一方、システム部門から不明点が上がってきたときには、是枝が金融庁や日本証券業協会に確認を取るなどして解決に努めました。
パートナー企業(オフショア)との連携も欠かせません。3ヶ月間の海外出張を行いオフショアメンバーに対する新NISAについての説明や理解の促進を担った二村は「対面で話すとお互いの解析度が深まるので、有意義な出張になりました」と、コミュニケーションの重要性を強調します。
とはいえ、想定外の事態が発生することもしばしばあり、限られた時間の中で軌道修正するのは容易ではありません。それでも「テスト段階になって問題が判明して開発をやり直すこともありましたが、持ち前の粘り強さを発揮して乗り切りました」という五十嵐のように、一人ひとりが粘り強く取り組んだことで、2023年12月下旬には新制度に対応したシステムをリリースすることができました。

CHAPTER 5

新NISAはプロジェクトに携わったメンバーの暮らしにも関わる制度です。田所は「自分たちがつくったシステムに利用者として触れられることは1つのやりがいです」と語り、野田は「自分自身も利用するシステムだからこそ、いつにも増して『自分ごと』として仕事に打ち込むことができました」と笑顔で振り返ります。
スタートから約2年が経過し、新NISAの口座数は2025年末時点で2,825万まで伸び、累計買付額は71兆円を突破しました。この2年間で流入した約36兆円という額は、旧制度の10年分に匹敵するものです。貯蓄から投資へのシフトが着実に進んでいるのは明らかで、約200人のプロフェッショナルが1年がかりで整備したシステムも、その変化を支えているのです。

CHAPTER 6

このプロジェクトは、携わったメンバーたちのレベルアップの機会にもなりました。二村は「自信を持ってお客様に提供できるシステムをめざして仕様を決めていく工程は非常に楽しく、自信にもなりました」、五十嵐は「チャレンジングな機会をもらえたことで、自分の成長を実感できました」と、それぞれ手ごたえを口にします。
こうして約200人の挑戦は幕を閉じましたが、社会や制度は時とともに変わり続けるものです。その変化に合わせて新たな仕組みを構想し、社会を支えるシステムを築いていくことこそが、大和総研の果たすべき役割です。今回のプロジェクトで培われた知見と経験は次の課題に挑む大きな力となり、時代が求める価値を創造していくのです。

※記載された原稿は取材当時の内容です。

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