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PROJECT STORY 01

最新の生成AI技術を活用し、
高品質のチャットサービスを実現

PROJECT MEMBER

  • 林 亮輔

    システム部門 エキスパート・コース
    大和証券システム本部
    DXシステム部
    【2015年入社】
    サブプロジェクトマネージャーとアプリチームのリーダーを兼任。進捗や課題の管理等、プロジェクト全体の推進に加え、アプリの要件定義から開発、テスト、リリースまで一通りの開発作業を担当。

  • 菅野 祐太郎

    システム部門 エキスパート・コース
    フロンティア研究開発センター
    デジタルソリューション研究開発部
    【2018年入社】
    AIチームのリーダーを務め、生成AIに関する要件整理や開発方針の決定に携わる。

  • 及川 大志

    システム部門 エキスパート・コース
    フロンティア研究開発センター
    デジタルソリューション研究開発部
    【2020年入社】
    AIチームでインフラを担当し、クラウド上の分析環境や検索インデックスの仕組みづくりを行う。

  • 臼井 飛翔

    システム部門
    フロンティア研究開発センター
    デジタルソリューション研究開発部
    【2020年入社】
    AIチームでアプリ開発を担当。AIが利用するデータの前処理や外部システムとの連携等、バックエンドの設計・実装を行う。

  • 太田 雅之

    システム部門
    大和証券システム本部
    システムインフラ設計部
    【2020年入社】
    インフラチームのリーダーとして、クラウド基盤の設計・構築・運用を担当。

CHAPTER 1

近年急速に普及が進む生成AIは幅広い分野で活用され、ビジネスの可能性を大きく広げています。その一方で誤った回答を生成してしまうリスクもあり、正確性や信頼性が求められる金融サービスでAIに情報提供を任せるのであれば、相応の品質を担保しなければなりません。この極めて重要な課題に向き合いながら新たに開発が進められたのが、大和証券のWebサイトにあるお客様向けチャットサービスです。
「従来のチャットはあらかじめ決められた質問と回答を紐づける仕組みだったため、質問の言い回しが少し違うだけで探している答えにたどり着けず、ユーザビリティの観点で課題がありました」と林は経緯を語ります。「そこで、今回はFAQや取引マニュアルなどの情報をまとめて保管し、AIが質問の意味に近い情報を探し出した上で、文章として組み立て直して表示する仕組みを構築するようにしました」。

CHAPTER 2

このプロジェクトでは開発チームとAIチームが設けられ、プロジェクトマネージャーが双方を統括する体制をとりました。さらに開発チームはアプリチームとインフラチームに分けられ、AIチームとともに、それぞれの専門家が役割を分担しながらプロジェクトを推進しました。
「今回は先端テクノロジーの活用がテーマなので、AIの知見を持つ若手メンバーが多くアサインされました」と菅野は説明します。プロジェクトがスタートした時点では、太田・及川・臼井が入社5年目で、菅野自身も7年目でした。「初めはインフラチームのリーダーを任されると聞いて驚きましたし、少し不安でした」と太田が語るように、彼らにとってはかつてなく大きな仕事へのチャレンジでした。

CHAPTER 3

このように適性を重視して精鋭が集められたプロジェクトでしたが、6ヶ月という期間でリリースまで進めるのは容易ではありませんでした。「一番の苦労は、人手と時間の制約です。会議や関係者との調整をしながら自分自身でも開発を進める必要があり、余裕はありませんでした」というのが林の率直な感想です。それでも何とか乗り切れたのは、すべてを一人で抱え込まず、周囲に頼ることができるチームワークの良さが根底にあります。今回はコーディングにもAIを活用していて、さまざまな課題はあったものの、開発期間の大幅な短縮を実現できました。
今回のプロジェクトでは、アプリ・インフラ・AIといったチームの垣根を意識的に低くし、タスクを状況に応じて柔軟に振り分けることで、効率的でスピーディーな進行をめざしました。及川は「チーム内でタスクや課題を可視化し、誰が何で詰まっているかがすぐわかる状態を作りました。問題が起きた時も、どうすれば前に進めるかを自然に話し合える雰囲気がありました。この心理的な距離の近さも、連携を支える大きな要素だったと思います」と振り返ります。

CHAPTER 4

質問への回答を担う生成AIは柔軟に検証や改善を進めていく必要がありますが、金融サービスゆえの制約も少なからず存在します。また、要件が途中で変わることも多く、手戻りが発生する場面もあったため、日常的に細かな相談を重ね、チームごとの認識を合わせながら開発を進めました。
もちろんユーザビリティも欠かせない要素で、彼らは工夫を重ねました。なかでも他のチャットサービスと比べて特徴的かつ苦労したポイントだったのは、表や画像を用いた回答をできるようにしたことだ。担当した菅野は「回答のもととなるインデックス内のテキストにファイルパスと画像タイトルを埋め込み、大規模言語モデル(LLM)で回答を生成する際に、画像タイトルの意味をとらえた上で、必要に応じてテキスト以外の情報を出力できるようにしました。リンクや表・画像を用いたUIを実現することで、お客様の利便性向上につながりました」と胸を張ります。

CHAPTER 5

2025年6月に稼働を始めた生成AIチャットサービスは、大和証券のサービス品質向上のほか、業務効率化にも貢献しています。「今回リリースした生成AIチャットは高い課題解決率を維持していて、お客様による課題の自己解決に寄与できたと実感しています。また、コンタクトセンターの方からも『問い合わせ対応の負担軽減につながった』と聞いています」と、林は笑顔で語ります。
プロジェクトに参画したメンバーにとっても、生成AIやクラウドといった新しい技術を実サービスの中で使い切れたことは、エンジニアとしての自信につながり、収穫も多くありました。臼井は「今回は一般のお客様が使うサービスで、自分が関わった仕組みがたくさんの人々に届く喜びを初めて経験し、大きなやりがいを感じました」、太田は「インフラは『うまくいっていて当たり前』で、何も起きないこと自体が成果です。今回のように一般のお客様が使うサービスを支え、『止まらずに動き続けている』状態を作れたことには大きな達成感がありました」と、それぞれ手ごたえを感じています。

CHAPTER 6

生成AIを活用したビジネスは、これからさらに増えていくでしょう。それを見据えて林は「高い正確性が求められる金融分野でも、適切に設計すれば価値を生み出せることを示せたのは大きな成果です。この経験は今後のAI活用プロジェクトの土台になり、より利便性の高いシステムを社会に提供していくための足掛かりになったのではないでしょうか」と見解を語ります。
菅野が「生成AIの領域ではアウトプットの良し悪しを数値だけで判断することが難しく、最終的には人が責任を持って決める必要があります」と語るように、AIがどれだけ進化しても、それを社会で安心して利用できる形へ落とし込むのは人の役割です。また、仲間の活躍を間近で見る中で、技術的な面だけでなくプロジェクト全体を支える意識が強く芽生えるなど、互いが受けた刺激も大きかったのではないでしょうか。先端テクノロジーを「試す」だけでなく「社会に届く形にする」経験ができたことは、今後のキャリアにおいても大きな財産となり、さまざまなプロジェクトで役立てられるはずです。

※記載された原稿は取材当時の内容です。

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