大和日本株インデックス(DSI)について
大和日本株インデックスは、大和総研と大和証券が共同で開発した日本株のパフォーマンス・インデックスです。
1.大和日本株インデックスの体系
大和日本株インデックス(DSI)は、DSI-1、DSI-2を内訳とするインデックスの総称。DSI-1、DSI-2は各々下記の構成となっている。
2.スタイルインデックスの概要
- 配当込み時価総額加重型のインデックス
- DSI-2は上場時価総額、DSI-1は浮動株考慮の流通時価総額ベース
- ユニバースは、札証、福証単独上場の銘柄を除く、全ての内国銘柄
- 基本的なスタイル区分は4区分
- 大型、小型
- バリュー、グロース
大型をTOPとNEXTに分け、サブインデックスとして提供
- インデックスの起点
- 1983年12月末
- バリュー、グロース以外のDSI-2:1979年12月末
- 連結対応ファクターによるバリュー・グロース区分(1989年6月末から)
- インデックスの構成銘柄の見直しは6、12月末の年2回
- 東証プライム市場のみを対象としたインデックスも提供(2022年4月1日以前は東証1部ベース)
3.規模の区分
3-1.規模の区分
- 規模の判別値には時価総額(DSI-1では浮動株考慮の流通時価総額、DSI-2では上場時価総額)を使用
- 規模の区分は大型・小型の2区分を基本とし、サブインデックスとして大型をさらにTOPとNEXTに区分
- 規模は絶対銘柄数で区分
-
大型
:時価総額上位500銘柄
-
小型
:残りの銘柄
-
TOP
:時価総額上位100銘柄
-
NEXT
:時価総額上位101銘柄から500銘柄の400銘柄
3-2.時価総額
- DSIでは個別銘柄のウエイトのベースとして2通りの時価総額によるインデックス(DSI-1では浮動株考慮の流通時価総額、DSI-2では上場時価総額)を公表
- DSI-1における流通時価総額には、東洋経済新報社の少数特定者持ち株数を用い、DSIの定義による「浮動株比率」を算出している。「浮動株比率」は、新規銘柄等データがない場合や0.2以下の数値となる場合に、0.2を使用。
- 「浮動株比率」=1-(少数特定者持ち株数÷発行済み株式数)
- :年2回、6・12月のリバランス時に更新
- 流通時価総額=(発行済み株式数×「浮動株比率」)×株価
- :日次更新
- 上場時価総額=(発行済み株式数-優先株・後配株・政府保有分)×株価
- :日次更新
4.バリュー・グロースの区分
4-1.VG指標の作成
- VG指標の考え方
- バリュー・ファクター、グロース・ファクターから、バリュー・グロース判別のためのVG(バリュー・グロース)指標を作成
- 採用4ファクター
-
A.実績BP(バリュー)
:実績自己資本/時価総額
-
B.実績EP(バリュー)
:実績税引利益/時価総額
-
C.予想ROE(グロース)
:予想税引利益/実績自己資本
-
D.予想成長率(グロース)
:予想増収率と予想増益率の平均ランキング
- 4ファクターの合成
- 各ファクターのランキングを合成して、VG指標を作成
- VG指標=A.実績BPランキング + B.実績EPランキング −C.予想ROEランキング − D.予想成長率ランキング
- *ランキングは、各ファクターごとに数値の小さい順
4-2.連結対応と予想データ
- 財務データ
- VG指標を構成するファクターについては、1989年6月末以降連結優先ロジックを採用している。
(1989年3月より、連結財務諸表は単体財務諸表と同じく決算後3ヵ月以内に提出することとなり、同じ有価証券報告書に組み込まれることになった。)
- VG指標を構成するファクターについては、1989年6月末以降連結優先ロジックを採用している。
- 予想データの出所
- 予想データの出所は一般性を勘案し、会社予想と東洋経済新報社予想に限定、各時点での最新予想を使用するロジックを用いている。
- 予想データの定義
- 東洋経済新報社による連結ベースでの2期先予想の発表に対応し、2000年6月末の銘柄入替時より、グロースファクターで用いている予想税引利益と予想売上高は、1期先予想と2期先予想の平均値を使用。それ以前は、1期先予想のみを用いている。
4-3.バリュー・グロース判別値の作成
- 規模とバリュー・グロースの関係を考慮
- 規模とバリュー・グロースの関係を考慮し、時価総額と銘柄数のバランスを保持するため、対数時価総額と正規化VG指標とで回帰を行う。
- VG指標の正規化には、BLOMの近似を用いている。
- 正規化VG指標=逆累積正規分布関数{(VG指標の順位−3/8)/(銘柄数+1/4)}
- バリュー・グロース判別値の定義
- バリュー・グロース判別値=正規化VG指標値−回帰線上の理論指標値
4-4.バリュー・グロース・ウエイトの作成
- バッファーとウエイト
- バリュー・グロース判別値の0を中心に各々10%のバッファー・ゾーンを設定
- バッファー・ゾーン外の判別値が十分大きい銘柄をバリュー、十分小さい銘柄をグロースと定義
- バッファー・ゾーン中の銘柄は、バリューとグロースの両方のウエイトを持つ
- バリュー・グロースバッファーの銘柄
- 銘柄ごとにバリュー・グロース双方にウエイトをもつ。銘柄ごとにウエイトは合計1。バリューウエイト+グロースウエイト=1。
- DSI-2のスタイル:比較用
- 銘柄ごとに、規模には0か1、VGには0〜1のウエイトを持つ。銘柄ごとに、ウエイトは合計1。バリューウエイト+グロースウエイト=1、大型+小型=1。
5.大和日本株インデックスの種類
全体 | バリュー | グロース | ||
---|---|---|---|---|
規模 | 総合インデックス | バリューインデックス | グロースインデックス | |
大型インデックス | 大型バリューインデックス | 大型グロースインデックス | ||
小型インデックス | 小型バリューインデックス | 小型グロースインデックス | ||
大型 | TOPインデックス | TOPバリューインデックス | TOPグロースインデックス | |
NEXTインデックス | NEXTバリューインデックス | NEXTグロースインデックス |
33業種 | 大和7セクター | 33業種 | 大和7セクター |
---|---|---|---|
繊維製品 パルプ・紙 化学 ガラス・土石製品 鉄鋼 非鉄金属 |
素材株 インデックス |
電気・ガス 陸運 海運 空運 倉庫・運輸関連 情報・通信 |
運輸・公益株 インデックス |
機械 電気機器 輸送用機器 精密機器 |
加工・組立株 インデックス |
卸売 小売 サービス |
サービス株 インデックス |
食料品 医薬品 石油・石炭製品 ゴム製品 金属製品 その他 |
その他製造業株 インデックス |
銀行 証券 保険 その他金融 |
金融株 インデックス |
水産・農林 鉱業 建設 不動産 |
その他非製造業株 インデックス |
大型産業株インデックス 大型金融株インデックス |
日本株総合インデックス(除く金融) |
- 大型金融株は、大型のうち大和7セクターの金融株インデックス
- 大型産業株は、大型のうち金融株を除くインデックス
- *大型=大型産業株+大型金融株
- 日本株総合インデックス(除く金融)は大和7セクターの金融株を除くインデックス
6.インデックスの算出方法
- 対象
- 札証、福証単独上場の銘柄を除く全ての内国銘柄
- ただし日銀、外国株を除く普通株
- 銘柄入替
- 年2回、6月末と12月末(ただし、6月25日と12月25日の最新データでVG・規模区分を決定する)
- 株価
- 対象銘柄の終値
- インデックスの基準
- 1983年12月末=100
- 計算方法
- 個別銘柄のリターンを配当込みで算出
- 個別銘柄のリターンを前日の時価総額で加重平均し、インデックス・リターンを算出
- 「前日インデックス指数×(1+インデックス・リターン)」により、当日インデックス指数を算出
- 対象銘柄の異動
- 新規上場は原則として次回銘柄入替時
- 株式移転、株式交換、合併に伴う新規上場は、上場時価総額が上位500位以内なら、上場廃止日から組み入れ
- 上場廃止、整理ポスト割当ては発生日
7.サービスの内容
- 提供データ
- インデックス(指数値)
- 投資収益率
- インデックス時価総額ウエイト...等、インデックス情報
- 採用銘柄リスト、バリュー・グロース判別値、時価総額構成ウエイト...等、リバランス時の銘柄情報
*6月・12月25日の翌々営業日に、月末リバランス後のスタイル区分・参考ウエイトを公表 - 月次データ:1983年12月末〜、(バリュー・グロース以外のDSI-2は1979年12月末〜)
- 日次データ:1996年6月末日〜
- データ提供方法
- インターネット(https://www.dir.co.jp/InfoManage/datarsc-s.html)
- 情報ベンダー [順不同]
・QUICK(DIRJ100-108)
・Bloomberg(DIDX)