私がジュニアNISAを始めた理由

2017年12月12日

第1子出産を機に、ジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)を始めた。ジュニアNISAは0歳から19歳までの子どもが開設でき(運用・管理は親権者等が代理で行う)、ジュニアNISA口座を通じて購入した上場株式や株式投資信託等については、年間の買付代金80万円を上限として、売却益、配当・分配金にかかる税金が5年間非課税になる仕組みである(※1)

ジュニアNISAを開始した目的は、子どもの将来のための資産形成に加え、子どもの金融経済教育に活かせると思ったからだ。日々の家計管理から始まり、住宅購入資金の準備、老後の資産形成など、人生において金融経済に関する知識が求められる場面は多い。親としては、子どもが将来こうした場面に向き合ったときに、自分で判断できるだけの金融経済知識を身に付けてほしいと思う。

金融経済に関する知識を、学校教育を通じて身に付けられれば良いのだが、現状ではなかなか難しいようだ。金融広報中央委員会の「金融リテラシー調査(2016年)」によれば、学校等で金融教育を受ける機会があり、受けたと回答した人は全体の6.6%にとどまった。平成26年4月に日本証券業協会の「金融経済教育を推進する研究会」が公表した「中学校・高等学校における金融経済教育の実態調査報告書」によれば、中学校・高校の9割以上の教員が金融経済教育の必要性を認識している。ただし、教科書の金融経済教育に関する記述については約4割の教員が不十分と回答しており、授業時間についても半数以上の教員が不十分であると回答している。学校における金融経済教育の拡充に関しては、前掲の「金融経済教育を推進する研究会」が文部科学省へ要望書を提出するなど、働きかけは行われているようだが、実際に学校において金融経済教育が一般的に行われるようになるには、まだ時間がかかりそうだ。

学校教育が難しいのであれば、家庭で教えるしかない。私は、金融経済に関する知識を身に付けるには資産運用をやってみるのが近道だと思っている。なぜ株価や為替が動くのか、その裏には日本経済や海外経済の動向、金融政策の動向などが複雑に関係する。ニュースで為替や株価の話が流れてきたときに、やはり自分で持っている保有資産の価格変動要因になると思えば、真剣に聞くようになるだろう。

始めたジュニアNISAは、日本株式や外国株式、外国債券など、複数の投資信託の積立投資(毎月定額を買付ける手法)から成る。今のところ、子どもが中学校に進学する際に、ジュニアNISAの仕組みや、その時点の運用成績などを説明するつもりだ。その時に評価益が出ているのか、評価損が出ているのかはわからないが、少なくともそれぞれの資産クラスによって評価損益に違いが生じているはずで、その違いが生じた背景についても説明したいと考えている。将来自分の資産になり、運用・管理しなければならないのだと思えば、少なからず関心を持ってくれるのではないかと期待している。(ジュニアNISAで運用した資産は、18歳までは払出しが制限され、20歳以降、NISA口座に移管することになる。そこで親の運用・管理は終わり、それ以降は子ども自身が運用・管理することになる。)

子どもは親の思うとおりには育たない、と言われるように、実際に子どもが関心を持つかは未知数だ。ひょっとしたら、全く関心を持たないまま終わるかもしれない。このジュニアNISAを通じた子どもの金融経済教育の成否については、20年後の当コラムでご報告したいと思う。乞うご期待!

(※1)ジュニアNISAの詳細は日本証券業協会ウェブサイト「知っておきたいジュニアNISAのポイント」などを参照頂きたい。

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