「消える仕事」と人材戦略の行方

2017年1月11日

  • コンサルティング・ソリューション第一部 主任コンサルタント 柳澤 大貴

人工知能やロボット技術の話題が沸騰しつつある。東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年には自動運転のタクシーが実用化される計画もあるようだ。そう遠くない将来、多くの仕事が人工知能やロボットに置換されるという予測も出ている。例えば運転士の仕事は自動運転に、店舗のレジ打ち業務は自動精算機に置き換わるに違いない。そのトレンドは予想以上に速くやって来そうな気配だ。人材派遣会社はロボット派遣会社になっているかも知れない。ロボットドットコムのような社名も登場するかも知れない。

すでに金融機関の窓口業務の一部はATMに、駅の改札業務は自動改札機に置換されている。これらは初期導入から普及までおおよそ15~20年を要している。人工知能やロボットにより消える仕事もあるが、労働力不足を補完するメリットも大きい。労働人口の減少と自動化を同期化して置換することで、生産性を大きく伸ばすことができるからだ。

以上の潮流に対する課題は現在の若年層社員と、これから就業する学生の意識改革と教育・研修プログラムの改革である。例えば25歳の社員の20年後は45歳。これまでの常識では社内の中核を担う存在である。しかし、20年後にそれまで積み上げたキャリアのニーズが消滅している可能性がある。企業は20年先を想定しつつ、新卒採用や若年層社員の活躍の場を検討していくことが求められる。おそらく人工知能やロボットの開発や運用・管理という仕事と、人工知能やロボットの補完業務という仕事、そして未知の仕事という3つに淘汰されるはずだ。

消える仕事は何か、新しく生まれる仕事やビジネスモデルは何かを見極めつつ、社員への意識改革を促すと同時に教育・研修プログラムや配置異動を再構築していくことになるはずだ。今から着手すれば対処する時間は十分にあるし、社員の心の準備も可能である。そして企業のみでなく大学や専門学校の学部・学科、そして学生の進路選択の基準、あるいは教育制度も大きく変貌するだろう。

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