日米比較

2010年11月25日

現在、奇しくも米国と日本の政権を支える与党はどちらもDemocratic Party(民主党)という。空き缶の話を取り上げた前回(7月初め)のコラム以降の出来事を中心に、少し比較してみたい。

まず、いずれの民主党も今年実施された選挙において負けている。米国の場合、11/2の中間選挙の結果、民主党は敗北、特に435人全員が改選対象である下院では60議席以上減らすという歴史的大敗を喫した。高止まったままの失業率などに代表されるように、国民が景気回復を実感していないことが主な敗因といえるだろう。オバマ大統領の支持率をみると、今年6月以降50%を下回り続けており、直近でも45%前後だ。ただ、この数字も、支持率が急落する日本の菅内閣からすれば羨ましい話かもしれない。民主党は上院でも議席を減らしたものの、過半数を維持した。2012年の再選を視野に入れるオバマ大統領は、いわゆるねじれ議会のもとで、年明けから2年間難しい政策運営を強いられることになるが、目下の国民の関心は年末に期限をむかえるブッシュ減税の延長の取扱いである。

既にねじれ議会という状態がスタートしている日本では、滑稽なことに、法務大臣が地元で開催された“就任をお祝いし報告を聞く会”における失言がダメ押しになって、わずか2ヶ月で辞任してしまった。発足して2年経っていないオバマ政権でも、7月にオルザグ行政管理予算局局長、9月初めにはローマー大統領経済諮問委員会委員長が既に退任しており、経済チームの一員であるサマーズ経済担当大統領補佐官兼国家経済会議委員長も年末での退任が発表済み。また、大統領の最側近であるエマニュエル大統領主席補佐官も10月初めに辞任した。このように、大統領の任期途中で閣僚などが交代することは珍しくないが、大学教授を休職している場合、ある程度の期間で大学に復帰する必要があるし、エマニュエル主席補佐官も来年2月のシカゴ市長選挙に出馬予定と、いずれも理由は概ね前向きである。補正予算成立のために事実上更迭させざるを得ないというネガティブな暗さはみられない。

そもそも日本の民主党が参議院選挙で負けた理由の一つに、お金にまつわる問題があったことはいうまでもないだろう。米国の議員も全員がクリーンなわけではなく、様々なスキャンダルが起きている。例えば、民主党のNY州選出のある下院議員は議員歴40年の大ベテランだが、納税と資金上の問題から今年3月に重要なポストである歳入委員会の委員長を降りた。同下院議員は今回の中間選挙では約80%の得票率を得て圧勝し(それでも2年前の選挙よりも得票率は約10%ポイント低下)21選を果たしたばかりだが、先日、下院の倫理委員会は彼の倫理規定違反を認定し処分を勧告した。今後は下院本会議で採決にかけられるが、衆議院政治倫理審査会になかなか出席しない誰かさんとは、大きな対応の違いといえるだろう。

難しい議会構成のなかであと2年の任期が残っているオバマ大統領に比べると、日本の首相はいつまで続けられるかわからない。

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