種類株式とは

2004年8月25日

  • 制度調査部 堀内勇世
種類株式の基本的仕組み

最近、企業の再建等に際し、優先株等の種類株式が活用されることがある(注1)。

種類株式とは、大ざっぱに言えば、普通の株式(普通株)と、配当や議決権などの点で異なった定めがなされた株式のことである。どのような点で違いが設けられるかというと、商法の中にいくつかのものが挙げられている。例えば、配当、議決権制限、転換予約権などの点である(下表参照)。ただしどのように設計するかについて、必ずしも商法には細かく書かれていない。しかも実際には、商法に明記されていない点についても違いが設けられている場合がある。例えば、普通株に株式分割があっても、種類株式には株式分割はないとするなどである。種類株式は、これらの事項を組み合わせたものになる。それ故、理論上、無限の種類があるといえる。

なお、トラッキングストックもこの種類株式の一種である。もっとも、トラッキングストックという言葉は商法などで定義されておらず、一般に、子会社や一事業の業績などにより配当額を決める株式のことをトラッキングストックと総称している。

優先株

よく発行されている「優先株」について見てみると、配当の点で普通株に対して順番的に優先するという仕組み以外は、発行事例ごとにいろいろな点で違いが設けられている可能性がある。それ故、ある会社のある優先株の商品性を知りたい場合は、簡単には見れないかもしれないが、定款や発行時のプレスリリース、もしくは新株発行時の新聞公告などを見る必要がある。

なお、甲種優先株とか乙種優先株とかという名前を聞くこともあるが、これは発行会社が種類を区別するために便宜的に付けているもので、商法で定義付けられているものではない。それ故、A社の甲種優先株と、B社の甲種優先株とは同じ商品性を有するとはいえないので、注意が必要である。


種類株式の注目ポイントの一例
ポイント 説 明
配 当 例えば、「普通株に先立ち1株5円配当する」などと定めるこ とがある。これは配当の順序が優先するということにすぎない ので、普通株よりも配当が常に多くなるということではない。
議決権の制限 例えば、「株主総会における議決権は原則としてないとする」 など。現在、議決権の復活については商法上規定がなく、議決 権が復活するかどうかは、定款の規定による。
転換予約権 例えば、普通株とA種類の株式の2種類の株式を発行する会社 があるとする。このとき、A種類の株式の内容として、普通株 に転換してもらう権利を株主に与えることがある。このような 権利を転換予約権という。
(出所)大和総研制度調査部
(注1)最近であれば、三菱自動車(7211:東)の優先株が注目を集めた。平成16年7月16日付読売新聞など参照。

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