多様化時代の採用戦略:前編

理想の人材像という呪縛

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  • 前田 和馬

サマリー

◆企業を取り巻く経営環境が大きく変化する中、多様な人材を採用する必然性は高まりつつある。しかし、人材供給の主な入り口である新卒採用は多様性とは程遠い現状にあり、学生と企業の相互理解を促す取り組みへの企業ニーズは強い。


◆企業サイドにおける求める人材像の明確化は、抽象的で「求めすぎ」な理想像につながるおそれも否定できない。この「求めすぎ」な理想像を基準とした選考過程は平均点主義を助長し、結果として個性的な人材の採用を難しくすると筆者は考える。


◆求める人材像や採用基準を別々に決めることは得策ではない。むしろ企業のありのままの姿をさらけ出し、様々な社員の姿を見せたうえで、それに合わせ複数の採用基準を設けることを提唱したい。複線化された採用基準は人材多様性を担保するための有効な手段となろう。

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