コラム

2006.03.27
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経済金融調査部 亀岡裕次
通貨は何を基準に選ぶべきか
 

米 ドル、ユーロ、日本円、英ポンド、スイスフラン、豪ドル、カナダドルという主要7通貨の金利を上回り、「高金利通貨」の代名詞ともいえるニュージーラン ド(NZ)ドルが下落している。NZドルの対円レートは、昨年12月高値からの下落率が16%に達し、05年度初めと比較しても▲4%と、上記通貨の中で 唯一下落している。対GDP比で8.9%に達したNZの経常赤字、07年にかけてのNZドル建て債券の償還急増、NZ中銀によるNZドル建て債券の為替リ スク警告などが、通貨下落の背景にある。ただし、これらを際立たせる結果になったのは、高金利と通貨高がNZ経済にダメージを与え始め、金利先安観が台頭 してきたからだ。NZドルの事例から言えることは、いくら高金利であっても、近い将来に金利が相対的に下がると市場が判断すれば、通貨の価値は下がるとい うことである。

「高金利通貨」ほど、金利収入を目当てにした資金流入によって価値が上がりやすい、との印象があるかもしれない。しかし、現実にはそうではない。8通貨の パフォーマンス(05年度、06年3月22日まで)を比較すると、最も金利(3ヶ月物、05年度平均)の高いNZドルが最下位、2番目に金利の高い豪ドル が4位、3番目に金利の高い英ポンドが5位という結果になっている。「金利水準」と通貨パフォーマンスには、ほとんど相関がないのである。そもそも、もし 「高金利通貨ほど上がる」のであれば、高金利通貨には大量の資金が流入し、通貨価値は急騰する。その結果、輸出競争力の低下から経済が疲弊してしまい、金 利は低下に向かう。そうなれば、通貨は一転して売りを浴びるようになろう。NZランドがまさにこのパターンを歩んでいるようにみえる。「高金利通貨ほど上 がる」という現象は、短期的に成立することはあっても、長期的に成立し続けることはないのである。

では、「金利水準」が通貨変動の決定要因でないなら、何が決定要因なのか。05年度の通貨パフォーマンスは、金利上昇幅や金利先高観(1年物−翌日物、 05年度平均)が最も大きい米ドルが2位、同2番目のカナダドルが1位という結果になっている。つまりは、「金利変化」の実績や見通しが為替を左右してい る。投資通貨を選ぶ際は、金利水準が高いか低いかということよりも、金利が相対的に上昇しそうか低下しそうかということを基準とした方が良さそうだ。な お、現状において、金利先高観(同上)が大きい順に並べると、米ドル、ユーロ、スイスフラン、カナダドル、英ポンド、日本円、豪ドル、NZドルである。お そらく、この順位も米国の利上げ後には変動しているだろう。金融政策や経済指標などを受けて日々変動する金利先高観の動向をみるのも、今後の為替相場を考 える一つの方法ではなかろうか。

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