2019年01月09日
サマリー
2018 年10 月、法務省の法制審議会会社法制(企業統治等関係)部会に「会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する要綱案(仮案)」が提出された。最終的な「要綱案」の取りまとめの後、法制審議会総会の承認を経て、2019 年通常国会で会社法が改正される見込みである。
その内容は多岐にわたるが、上場会社のコーポレートガバナンスの観点からは、①株主総会資料の電子提供、②取締役報酬等のあり方、③社外取締役の選任義務が重要だと考えられる。上場会社にとって、①は積極的な開示と株主との対話促進、②は経営陣に対する適切なインセンティブ付けと経営トップによる恣意的な運用の排除、③は重要な意思決定における独立性、客観性の担保と、いずれも株主、投資者、市場に対する説明責任をしっかりと果たすことを通じたコーポレートガバナンスの強化を求めるものと言える。
そのことは、裏返せば、スチュワードシップ責任を負う機関投資家にとっても、これらの事項について、しっかりとエンゲージメントや議決権行使の責任を果たしていくことが求められるものであることを忘れてはならない。
大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
株主提案制度にコスト/ベネフィット分析を
世界で最もアクティビスト・ファンドにとって使いやすい日本の株主提案制度
2024年05月09日
-
医療等情報の二次利用は誰のためか
創薬・医療機器開発のみならず、医療の質の向上や効率化にも活かす
2024年05月09日
-
東証カーボン・クレジット市場の動向と今後の市場活性化に向けた課題
市場活性化の鍵を握るボランタリー・クレジットの活用
2024年05月09日
-
ガバメントクラウドは誰に任せるべきか
国産クラウドの初採用に寄せる期待と懸念
2024年05月09日
-
新興国通貨安は脱炭素に向けた投資の障害に
~通貨バスケットに連動する債券(WPU連動債)で為替リスクを低減~
2024年05月08日
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
-
ビットコイン現物ETF、日本で組成可能か?
米SEC承認を受けて、日本で導入することの法制度上の是非を考察
2024年02月13日
-
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
-
日本経済見通し:2024年3月
24年の春闘賃上げ率5%超えを受け、日銀はマイナス金利政策を解除
2024年03月22日
-
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
ビットコイン現物ETF、日本で組成可能か?
米SEC承認を受けて、日本で導入することの法制度上の是非を考察
2024年02月13日
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
日本経済見通し:2024年3月
24年の春闘賃上げ率5%超えを受け、日銀はマイナス金利政策を解除
2024年03月22日
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日