FOMC 無風の結果、利上げ路線継続を示唆

声明文は微調整のみ、追加利上げは12月の公算大

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2018年11月09日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2018年11月7日~11月8日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)では、政策金利であるFF(フェデラルファンド)レートの誘導目標レンジを、2.00-2.25%で据え置くことが決定された。金融市場では金融政策の据え置きが事前に確実視されていたため、決定内容にサプライズはない。

◆今回公表された声明文を見ると、足下までの経済指標を踏まえて、経済の現状認識の一部が微調整されたのみに留まった。経済見通し、および金融政策運営方針については、前回声明文のまま据え置かれ、さらなる緩やかなFFレートの引き上げを続けるという見通しが示された。

◆経済見通し、および金融政策運営に関する声明文の記述が、前回から全く変更されていないことを踏まえれば、今後の利上げに対する見方は、9月から大きくは変わっていないと考えられる。9月のFOMCで公表されたドットチャートでは、2018年内にもう一回の利上げ見通しが示されており、2018年最後の会合となる、次回の12月18日~12月19日のFOMCで追加利上げが実施される公算が大きい。

◆足下の原油価格の下落、およびドル高の進行が、今後インフレ率を抑制する要因になる点には注意が必要である。原油価格下落やドル高によってインフレ率が減速すれば、一部のFOMC参加者が追加利上げに対して慎重になる可能性があり、利上げペースに関するFOMC参加者間でのコンセンサス形成はこれまで以上に難しくなると考えられる。

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