サマリー
◆9月のFOMC(連邦公開市場委員会)で、利上げ開始を先送りした主な背景は、海外経済の下振れや金融市場の混乱がもたらす短期的なインフレ率の下振れの可能性であった。年内利上げ派が多数とみられるが、内外の経済や市場が混乱するリスクが高まる場合には、利上げ開始時期を先送りするだろう。
◆10月から新年度となり、財政の問題が顕在化しつつある。連邦政府の予算は12月11日までの暫定予算が成立したが、11月上旬には債務上限問題が控えている。12月にかけて、経済や市場が混乱するリスクが高まる可能性がある。
◆現在の米国経済にはやや軟調さが見られる。製造業の活動などが不振で、非製造業は相対的に堅調である。ただ、悪化した消費者のマインドは、株価が持ち直しつつあることで改善してきた。内需の回復に対して輸出が伸び悩んでいる。
◆米国経済の拡大のドライバーはあくまで非製造業部門を中心とした雇用の増加と、個人消費の増加であり、輸出の減速をきっかけに腰折れするとは考えづらい。ドル高や海外経済の減速に注視すべきではあるが、内需主導の景気拡大が続く見通しである。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
-
ビットコイン現物ETF、日本で組成可能か?
米SEC承認を受けて、日本で導入することの法制度上の是非を考察
2024年02月13日
-
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
-
日本経済見通し:2024年3月
24年の春闘賃上げ率5%超えを受け、日銀はマイナス金利政策を解除
2024年03月22日
-
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
ビットコイン現物ETF、日本で組成可能か?
米SEC承認を受けて、日本で導入することの法制度上の是非を考察
2024年02月13日
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
日本経済見通し:2024年3月
24年の春闘賃上げ率5%超えを受け、日銀はマイナス金利政策を解除
2024年03月22日
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日