サマリー
◆2015年3月の貿易統計では、輸出金額は前年比+8.5%と7ヶ月連続の増加となり、増加幅は前月(同+2.5%)から拡大した。また、輸入金額が同▲14.5%と大きく減少した結果、貿易収支は+2,293億円と2年9ヶ月ぶりの黒字に転じた。
◆輸出金額を価格要因と数量要因に分けて見ると、円安による押し上げを主因に輸出価格は同+5.1%と上昇幅が拡大したことに加えて、前月に減少(同▲2.1%)していた輸出数量が同+3.3%と増加に転じたことが輸出金額を押し上げた。季節調整値で見た輸出金額も前月比+3.7%と2ヶ月ぶりの増加に転じており、前月に中華圏の春節の影響もあって大きく減少した輸出金額は均してみれば増加基調を維持している。
◆貿易収支の先行きについては、海外経済の回復を背景に輸出数量が増加基調となることで、黒字幅は緩やかな拡大傾向が続くと予想している。ただし、ここ数ヶ月間、貿易赤字が急速に減少する要因となった原油価格の下落に歯止めがかかりつつある。加えて、内需の拡大に合わせて輸入数量も増加基調になる見込みであることから、貿易黒字拡大ペースは減速する公算が大きく、ゼロ近傍での推移が続くとみている。
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