サマリー
◆ユーロ圏の2021年1-3月期の実質GDP成長率(速報値)は前期比▲0.6%(年率換算▲2.5%)となり、2四半期連続のマイナス成長となった。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、ユーロ圏各国が行動制限措置の期間延長や規制内容の強化を余儀なくされたことから、域内の経済活動が停滞し続けた。この結果、ユーロ圏経済は再び景気後退に陥ったことになるが、2四半期とも前期比1%未満の小幅マイナスにとどまったため、2020年上期に比べると、経済活動の落ち込みは限定的である。今後は、新型コロナウイルス感染症の抑制とワクチン接種の進展により、行動制限措置が緩和され、人々が徐々に日常生活を取り戻していくと予想される。
◆欧州各国は行動制限措置の効果から新規感染者の増加ペースが鈍化しており、足もとではイタリアやフランス、ドイツ等は制限の緩和に動いている。もっとも、先行する英国と比較すると、大陸欧州各国の感染者数は英国よりも高水準であるにもかかわらず、英国よりも短期間で同程度の内容まで緩和を進めようとしている。やや急ぎ過ぎている感は否めない。
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