サマリー
◆個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者数は、2020年10月時点で175.6万人となり、全体の加入率(加入対象者数に占める加入者の割合)は2.6%となった。第2号加入者数(会社員・公務員)が149.6万人と全体の85%を占めている。加入率では、公務員が8.6%と高い。
◆拠出する掛金額の分布を見ると、第2号加入者のうち企業年金のない会社員では拠出できる枠を余らせるケースが少なくない一方、それ以外の第2号加入者では、限度額いっぱいまで拠出する層が多数である。なお、令和3年度の税制改正では、企業年金加入者間の公平を図るため、確定給付型企業年金のある会社員や公務員のiDeCoの拠出限度額が現行の1.2万円から2万円へと引き上げられる予定である。
◆新型コロナウイルス感染症拡大による経済や雇用への影響がある中でも、今のところiDeCoの新規加入者数が大きく落ち込んでいるということはない。当面は実効性ある対策で景気の安定を図ることが最優先課題であると同時に、アフターコロナを見据えつつ人生100年時代に向けて自助による備えの重要性を意識づける啓発活動の強化も求められているだろう。
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