2011年05月02日
サマリー
民主党政権誕生後の2010年度・2011年度の税制改正(案)では、所得税の税収増と所得再分配の強化が図られてきた。だが、日本の所得税の課税ベースは先進諸外国と比較してなお小さく、その要因は主に、給与所得控除と社会保険料控除にある。これらを改正することで日本の所得税には税収増と所得再分配の強化の余地がある。
一方、(健康保険・厚生年金の)社会保険料率は定率で徴収されるため、低所得者にとって(税負担は軽くとも)社会保険料負担は重いものとなっている。また、国保・国民年金に加入している給与所得者は若年世代を中心に広まりつつあり、これらの者の社会保険料負担は特に重く、未納が大きな問題となっている。
本稿では、所得税の税収増と所得再分配の強化を行いつつ、低所得者の社会保険料の負担軽減を図る私案として(給与所得控除を一律100 万円、社会保険料控除廃止による増収を財源とした)「社会保険料還付つき税額控除」を提言する。
一方、(健康保険・厚生年金の)社会保険料率は定率で徴収されるため、低所得者にとって(税負担は軽くとも)社会保険料負担は重いものとなっている。また、国保・国民年金に加入している給与所得者は若年世代を中心に広まりつつあり、これらの者の社会保険料負担は特に重く、未納が大きな問題となっている。
本稿では、所得税の税収増と所得再分配の強化を行いつつ、低所得者の社会保険料の負担軽減を図る私案として(給与所得控除を一律100 万円、社会保険料控除廃止による増収を財源とした)「社会保険料還付つき税額控除」を提言する。
大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
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